約束しますby私 ページ31
今成さんが、おかゆをすくったスプーンを出してきた。
「そんなの自分で…」
今「いいから。はい、あーん」
スプーンを奪えんから、甘えるしかない。
――ぱくっ――
今「熱くない？」
「大丈夫です」
にこっと笑った今成さんは、またすくって、ふぅふぅと冷ましてくれる。
私が猫舌やってこと、覚えててんや。
今「あんなトコで倒れてるから、ビックリしたよ。悪い人に連れて行かれたらどうすんの？」
厳密には、倒れてたじゃなくて、しゃがみ込んでたやねんけど…。
「甲子園に悪い人なんて居ませんよ」
今「過信しすぎ。そもそも、昨日は出勤じゃないでしょ？」
今「まぁ、仕事ですし…」
また、スプーンをが差し出される。
それを口に含んだ途端、今成さんの顔がめっちゃ近なった。
今「オーバーワーク！」
しかも、めっちゃ睨まれてるし、言葉も強い。
「…もしかして、頬、こけてます？」
今「飲みの時よりも確実に。…俺たちのことよりも、まずは自分のことを大事にして」
2度も言われたら、ホンマにやらんとまずい。
「ご心配をおかけしました。これからは、ちゃんと寝ます、ちゃんと食べます。仕事も、そこそこにします」
謝罪と決意を込めて頭を下げると、今成さんが小指を出してきた。
今「俺を心配させるのは、もうナシにして」
「はい、約束します」
私の小指を組ませて、指きりをする。
「なので、新井さんには内緒にしててください」
今「何で？」
急に出てきた名前に、今成さんが一瞬だけ驚いたような顔をする。
「シバかれるんですよ」
今「はぁ？何それ？話が全然分かんない」
やから、こないだの新井さんの話をする。
「…ってことで、倒れたことが分かったら、冗談抜きでシバかれるんです」
真剣に話したのに、今成さんは笑った。
今「Aちゃんは面白いなー」
「他人事だと思って…」
今「思ってないって。もしも、そんなことになったら、俺が守るから」
〈新井さんvs.今成さん〉を想像してみるんやけど、どう考えても…。
「力負けしそう」
今「真剣なんだけど！」
まだ指きりで繋がっていた右手を伝って、今成さんにハグされた。
今「俺、ウソ吐かないし。何が何でも、絶対Aちゃんを守るよ」
「今成、さん？」
ハグっていうよりも、抱き締められてる？
そう思った瞬間、今成さんが離れた。
今「さあ、残りを食べて」
今成さんはにこりと笑って、おかゆをすくった。
また、こないだみたいな不思議な感じがする。
…ホントに何やろ？
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Quintet(プロフ) - ゆかさん» コメント、ありがとうございます。あちゃー、私のルーティンがバレてしまいましたね(笑)。あともう半日、あと数時間を過ごす一息になればと思っています。これからも、よろしくお願いします。 (2016年10月14日 16時) (
レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 毎日更新されるのが楽しみです！ 毎日4時過ぎにこのお話更新されているか見てしまいます。笑 これからの楽しみにしています！ (2016年10月12日 15時) (レス) id: c3eab76729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Quintet | 作成日時：2016年10月4日 15時
