Happy Everyday 2nd.

解放されたー！by私 ページ7

試合終了後。
いつものように、廊下の端に立つ。

「お疲れさまです」

笑顔で、ロッカールームに帰る皆さんを迎える。
皆さんが帰った後、ディレクターさんが聞いてきた。

女「いつも迎えているんですか？」
「はい」

まだまだ、密着取材中。

「勝ってようが負けてようが、関係ないですよ。ねぎらい1つが、明日の活力になりますからね」

まぁ、これは私の勝手な考えやけど。



◆◇◆



この後は、広報室に戻って記事を作んねんけど、密着取材やから免除された。
優しいやん、先輩。
そんな先輩が、コーヒーを淹れてくれた。

C「今日はお疲れさん」
「ありがとうございます」

仕事終わりの一服。
至福のひと時…。


「ごふっ…にがっ！」


――やない！

B「おもろいわー」
「このくだり、もういらんねん！」

また、スプーン5杯の激苦コーヒー。
ホンマ、頭のネジ1本、取れてんのとちゃう？
てか、カメラにバッチリ入ってるやーん。

A「ええ加減、匂いで気付きぃや」
「気付くワケないでしょ！こんなん部屋中、コーヒー臭を漂わして！」
B「ココ、エンディングに使ってくれよー」
女「もちろんです」

こっから、みんなで座談会。
コーヒー再製で神経すり減らして、そこに先輩らの自由さが加わって、どっと疲れた。
ディレクターさんには悪いけど、もう投げやり気味でした。

女「最後に帰りの画を撮らせてください」

――と言われて、帰る画を撮って、ようやく、ながーい、いちんちが終わりました。



◆◇◆



2人と最後の挨拶を交わして、お見送りして、今度こそお家に帰れる！
球場を出ると同時に、解放感が現れた。

「終わったーっ！」

空を見上げても真っ暗やし、雲しかないけど、私の心は晴れてるよ！

良「大胆やな」

声を聞いて頭を下げると、隣に新井さんが立ってた。
両腕上げてるし、荷物は放り出してるし、確かに大胆かも。

「お疲れさまです」
良「Aちゃんもお疲れさま」

新井さんが、落としていた荷物を拾ってくれた。

良「不用心じゃけぇ。気を付けぇ」

あははは…すいません。
荷物をもらって、時計を見る。

「あれ？もう帰ったんじゃなかったんですか？」
良「ミーティングが長引いてな」

ちょっと連敗が続いてるから、対策は立てないとあかんよね。
それを考えてると、気分が暗くなる。

良「帰るんだったら送ったるわ」

新井さんが、少し陰ってた空気を変えてくれた。

「いいんですか？！」

今日はもうクタクタだし、甘えさせてもらおーっと♪

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