使える手は使うby監督 ページ21
取材が終わる時間を見て出待ちをしとったら、案の定、2人が一緒に出てきた。
ナリの顔はすごく楽しそうで、これでもかと言わんばかりに、緩みまくっとる。
今『マジで?!監督が?!』
『はい。直接指名されました』
会話の中で俺の名前が出た途端、血相変えて走っていった。
今さら気づいても遅いわ、阿呆。
監「場所を考えてくれんか?すぐそこにカメラあるやろ」
「それは今成さんに言ってくださいよー」
見送っとるAの隣に立つと、彼女はくしゃっと笑った。
◆◇◆
最近になって、急にチームが浮足立った。
若手もそうやし、特に篤史・トリ・剛・良太・博紀・大和・ナリが。
んで、様子見とったら小柄な娘が見え隠れしとって、周りに聞いたら、うちの職員やと分かった。
監「Aさん、いる?」
「はい。私ですが…」
監「ちょっと来てくれる?」
事務室から連れ出して、ゆっくり話が聞ける食堂に場所を移す。
ポニーテールの娘は、肌が白くて、メイクは薄くて、真面目で大人しそう。
全体的には、まぁ、普通の娘。
監「何飲む?」
「お構いなく」
誰もいない食堂の隅に座った。
「初めてお目にかかります。Aです」
低姿勢で、頭を小さく下げる。
監「うちの選手が世話になってる」
「こちらこそ、お世話になっております」
監「ここに来て、長いの?」
「4年目になります。それまでは、皆さんとお会いしたことはなかったんですが…」
なれそめを聞いてみたが…よく分からん。
キャリーに突っ込んでいたのを助けてもらった?
想像が出来んわ。
「そこから、お話をさせてもらったり、ご飯に連れてもらったり…もうありがたいですよ」
この娘は、俺と会ってからずっと笑顔だ。
そこが、まず一因だな。
監「はっきり言って、アイツらは君に興味がある」
「え?そうなんですか?」
監「何だと思ってた?」
「何とも思ってませんけど?」
監「あー、そう(…鈍感すぎるわ)」
いつも笑って、表情が豊か。
一緒にいるだけで、この場の空気が和む。
こういうとこに、アイツらは惚れたんか。
なら、ここでちょっと…。
監「お願いがある。広報になってくれ」
「…はい?」
監「アイツらのサポートをしてほしい」
◆◇◆
監「じゃあ、俺も行くわ」
「はい。いってらっしゃい」
Aと別れてグラウンドに行くと、アイツらがベンチでたむろとった。
監「アメ与えてんから、働いてもらおうか」
これで、ちっとはチームの士気も上がるやろ。
これからが見物やなぁ。
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Quintet(プロフ) - ますとらさん» 自分では退治できないので、人に頼んで、ひたすら応援しています(笑)。上本さんには、いっぱい頑張ってもらいます! (2016年6月19日 13時) (レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
ますとら(プロフ) - Quintetさん» う、上本さん…かっこいいです(*´艸`) Gはもう、スプレーで殺します\(^^\)主人公ちゃん下着って…可愛い← (2016年6月18日 13時) (レス) id: ae5a1b29fa (このIDを非表示/違反報告)
Quintet(プロフ) - とりさんLOVEさん» 性格上、タメで話すのは難しいので、私はこのままでいかせていただきます。とりさんLOVEさんは、存分にタメでOKですよ。 (2016年5月24日 15時) (レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
とりさんLOVE(プロフ) - Quintetさん» ホンマですか!ありがとうございます♪良かったらタメで話しません? (2016年5月23日 20時) (レス) id: bb31bb077e (このIDを非表示/違反報告)
Quintet(プロフ) - ますとらさん» ありがとうございます!少しずつ、それぞれ目線で進んでいく予定です!ぼちぼち頑張ります♪ (2016年5月22日 13時) (レス) id: 7f540aaaaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Quintet | 作成日時:2016年5月21日 15時