BATTLE25 ページ29
〜及川side〜
「及川徹。」
名前を呼ばれたので、銀色の扉を開けて中に入る。
「座れ。」
教室の四分の一程の大きさの部屋の中央には机と椅子があり、机の上には本が乗っていた。
「……この本を読め。」
言われた通りに本を開く。
しかし、いくらページをめくっても俺の目には白紙しか映らない。
看守?に言おうかと思い、椅子をひこうとした瞬間、
俺の目に文字が飛び込んできた。
『我々の国『日本国』は科学で成り立っている。
研究所では、人間を『作る』研究を進めていた。
しかし、人造人間『アンドロイド』を作るのは想像以上に難しかった。
研究を始めて10年。
第923号機。
ようやく完成した。
しかし、このアンドロイドには一つ欠点があった。
体が弱く、熱波に当たるとすぐに機能を停止してしまうのだ。
そのため、政府はこの『未完成』のアンドロイドを元に、更に『強い』アンドロイドを作ろうと、また研究を始めた。
どんどん出で来る失敗作のアンドロイドは兵器開発グループに回した。
そして、第5392号機。
ようやく『完璧』なアンドロイドが完成した。
研究者が喜び勇み、研究発表の前日。
『未完成』のアンドロイドが『完璧』なアンドロイドと共に脱走してしまう。
アンドロイドは身体に仕込んだ科学物品に加え、驚異の身体能力と頭脳を持つため、我々は連れ戻すことができなかった。
幸い24時間後に記憶が完全に消滅するプログラムをかけることができたものの、
容姿を変えられると思われるため、探しても無意味だということも判明。
もううつ手がないと思われたとき、ある知らせが我々の耳に届いた。
『人の心が読める子供がいる。』
我々は瞬時に理解した。
アンドロイドが原因だ、と。
能力など存在しない。
全ては日本国の科学の力だ。
そこで、我々はノイズを開発し、国内全域に流すことにした。
』
そこで文字は終わっていた。
俺は本を閉じた。
「…及川徹。正直に話せ。
何か思い出したことはないか。」
俺はおっさんの目を見ながら、ゆっくりと首をふった。
「…いいえ。何も。」
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