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『じゃあ17時過ぎには駅に着くように行くからね』
「うん!事務所から直接向かうね!行って来ます!」
『待って』
「な、んっ…」
玄関で靴を履く私の腕をグイッと引いて行って来ますのキス。
『気をつけてね』
「は、ぁい」
ポッキーくんはいつも一枚上手だ。
キスとかハグとかまだ慣れてない私のことを思い切り子供のように可愛がる。
フラフラしながら玄関を出るとまだ肌寒い。
「…早く仕事終わらそ」
そう呟いてお気に入りのバレエシューズを履いた足を弾ませる。
「Aちゃん、おはよう!今日は雑誌の撮影なんだけど…なんかいつもより気合入ってるね」
「え!」
マネージャーさんは私の格好を上から下まで見てうん、と頷いた。
「そのまま撮影しちゃお!」
「え、スタイリストさんは、」
「なんか今日可愛いんだもん!」
ぐいぐい押されてスタジオ入りする。
「今日はデートなの?」
「…そうです」
「あはは、素直!Aちゃんだんだん可愛くなるね!ポッキーくん効果?」
「…違います!もー!からかわないで下さいよ!」
私がそう言うとマネージャーさんは可愛らしくうふふ、と笑う。
カメラに目線を向けるのは毎日のことだけど、撮影ってまだ緊張する。
目がチカチカするくらいのフラッシュに不自然なくらい大きいレフ板。
チークを塗ってなくても頰が紅潮する。
「はい!お疲れ〜。一旦休憩入りましょ!」
撮影が休憩に入ってケータイを見るとツイッターのDMに知らない人からメッセージが来てた。
「…誰だろ」
プロフィールにとんでみてもなにも書いてない。
リスナーさん?
でも気になるのはその内容。
___会いに行くからね
…いつ?
自分のスケジュール帳を確認しても控えているリスナーさんとのイベントはまだ詳細が出てない状態。
「変なの。いたずら?」
でもまあ、こういうのって良くあるらしい。
私は初めてだけど、少しは有名になってるってことだよね…。
返信はせずにケータイの画面を閉じた。
その後も撮影は続いて、なんとか17時に全て撮り終えた。
「お疲れ様、気をつけて。楽しんでおいで」
マネージャーさんに優しく送り出され私は薄暗い道を早足で歩く。
事務所の最寄りまで15分くらい。
ポッキーくんもうついてるかな。
そう思うと自然と足も速くなる。
「Aちゃん」
「へ」
ポッキーくんじゃない。
知らない人の声に私は振り向いてしまった。
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靴下模様の猫 - めっちゃ次が気になる!頑張ってください! (2018年11月24日 18時) (レス) id: 5a4b249745 (このIDを非表示/違反報告)
さきこ - 更新って今出来なさそうですか? (2018年4月4日 0時) (レス) id: 36400d4c3c (このIDを非表示/違反報告)
ぴよP - ポキ信者の心をつかむなんて。。ブワァッ(TдT )泣 (2018年3月9日 0時) (レス) id: 5a6646d35b (このIDを非表示/違反報告)
mikan - とっても面白いですね!これからも頑張ってください! (2018年1月3日 20時) (レス) id: 46f7de4b16 (このIDを非表示/違反報告)
mikan - はじめしゃちょーを思い出しますね。ストーカーって。 (2018年1月3日 20時) (レス) id: 46f7de4b16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆ | 作成日時:2017年10月23日 20時