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『ね、Aちゃん』
ポッキーくんの声がする。
『Aちゃん、ねえ!』
相変わらずイケボっていうの…?
カッコイイな…。
『A!』
「わ!」
『やっと起きた』
辺りを見渡すとすっかり日も暮れていた。
どうやら編集中に眠ってしまったみたい。
『夕飯、作っておいたよ』
「はわ、ごめん…ありがとう」
『お互い様』
そう言ってポッキーくんは私の頰に小さくキスをしてキッチンへ戻ってしまう。
…いい匂い。
まだ寝ぼけなまこのままテーブルに着くといつもより手の込んだ料理が並んでいた。
「おいしそー、いただきます」
『召し上がれ〜』
ポッキーくんと付き合い始めてから、リスナーさんにもそのことを伝えてはや3ヶ月。
案の定アンチもいるみたいだけど、応援コメントのが目立つコメント欄になんとか助けられてる。
そして私はポッキーくんと一緒に暮らしていた。
「おいしー!料理上手になったね」
『ほんと?俺もやればできるな〜』
向かい合ってご飯を食べたり、洗濯物を一緒に畳んだり、お風呂掃除のじゃんけんとか、夕方のタイムセールを狙ってスーパーに行ったり。
普通のカップルみたいなことを普通にしていて私は幸せだ。
「今日の動画はなに?」
『んー?今日はね、ホラゲかな』
「あとで見る」
『Aちゃんは?』
「今日は実写。メイク動画」
『ああ、一昨日撮ってたね』
こんな会話はYouTuber過ぎてしまうけど、同業者の彼なら相談もしやすいし、尊敬もできる。
「…ポッキーくん」
『ん?』
「…すき」
『えっ…、なになに笑』
「わ、笑わないで!…たまには、私だって…言いたくなっちゃったんだもん…」
『あはは、可愛い笑、俺も好きだよ』
こんな会話ができるのも、幸せ。
だけど、この幸せをめちゃくちゃにしようとする人だって世の中にはいる。
そう気づくのはもう少し先の話。
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靴下模様の猫 - めっちゃ次が気になる!頑張ってください! (2018年11月24日 18時) (レス) id: 5a4b249745 (このIDを非表示/違反報告)
さきこ - 更新って今出来なさそうですか? (2018年4月4日 0時) (レス) id: 36400d4c3c (このIDを非表示/違反報告)
ぴよP - ポキ信者の心をつかむなんて。。ブワァッ(TдT )泣 (2018年3月9日 0時) (レス) id: 5a6646d35b (このIDを非表示/違反報告)
mikan - とっても面白いですね!これからも頑張ってください! (2018年1月3日 20時) (レス) id: 46f7de4b16 (このIDを非表示/違反報告)
mikan - はじめしゃちょーを思い出しますね。ストーカーって。 (2018年1月3日 20時) (レス) id: 46f7de4b16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆ | 作成日時:2017年10月23日 20時