スキズの大型犬系アイドル

リノヒョンと ページ5

180度のエアフライアーで20分。
＿この言葉をご存知だろうか。そう、ヒョンジンがカリッと焼き上がる温度である。

俺はヒョンジンがリノヒョンにこの言葉を言われた時隣で呑気に大笑いしていたがその後すぐリノヒョンに

「Aは180度で10分だね」

なんて恐ろしいことを言われたのである。なんで俺ヒョンジンより焼かれる時間短いの？もうちょっと火通してよ。
…それは置いておいて、そのせいで俺はめでたくヒョンジンと一緒にエアフラ組とやらに仲間入りしてしまった。全く嬉しくない。切実にここから抜けさせてほしい。

まあとにかく、リノヒョンに常日頃こんなことばかり言われるのだが大人しく焼かれる訳にいかない。
が、あのヒョンに勝てる者などこの世に存在しない。

なんとか言い返すも毎度こてんぱんにやられるのである。

そんなリノヒョンだがなんだかんだ言って俺に甘い。

というのも、とある企画の収録中に罰ゲームで俺1人だけご飯抜きだったのだが何故か俺も知らないうちに普通にご飯を食べていた。あまりにも自然すぎて自分でも気づかなかったが後で見返してみたらリノヒョンが監督に気づかれないようにしれっと俺にご飯をくれてた。罰ゲームは？？？

それと俺がホラー映画を見て寝れなくなった時、ダメ元でリノヒョンの部屋に行ったらぶつぶつ文句を言いながらも一緒に寝てくれた。嬉しかったよ。

でもその時リノヒョンが寝言で

「幽霊が怖いならお前も幽霊になればいいんじゃない？」

って言ったんだ。俺はホラー映画よりもリノヒョンに恐怖を抱いて自分の部屋に戻ったらびっくりするくらいよく寝れた。その次の日の朝俺が急にいなくなったから心配で探しに来てくれたリノヒョンにバシバシ叩かれながら起きて全身痛かったけど。ほらね、うちのリノヒョン優しいでしょ？

だから突然だけど今から隣にいるゲーム中のリノヒョンに感謝を伝えようと思うんだ。

「ねえ、リノヒョン。いつもありがとう」

リノヒョンの動きが止まった。感動したのかと思えばちょうど話しかけた瞬間にゲームオーバーになってしまったらしい。
＿やらかしたな ミンA

「そうか、お前は今ティッシュ食べたい気分なんだね？」

やっぱり今の前言撤回で…なんて思う暇もなくティッシュを持ったリノヒョンに追いかけられる俺。そしてにこにこしながらその様子を見ているチャニヒョン。

チャニヒョンのことは大好きだけど今だけはヒョンをエアフライヤーで焼いてやりたいよ。

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