黒 ページ16
いつも通りの朝。いつもはメンバーより後に起きる俺だが今日は一番最初に起きた。顔を洗いに行くため共有で使っている洗面所まで寝ぼけ眼でとぼとぼと歩いていく。そう、いつも通りの朝。ここまでは。
ドアを開け鏡の前へ立った時俺は半分しか開いていなかった目をこれでもかというほどかっぴらいた。目が飛び出そうになる。今ならセサミストリートのキャラクター達に紛れても気づかれないであろう。
そんなことは今どうでもいい。大ピンチだ。
ヤツがいる。ゴから始まりリで終わるヤツのことである。察してくれ。
虫は大抵いけるがこいつとだけは相容れない。思わず叫びそうになるが他のメンバーを起こしてしまわないようなんとか堪える。万が一リノヒョンを起こしてしまえば俺はこいつと一緒に叩き潰されてしまう。
頭をフル回転させる。ヤツは今角の隅にいる。俺ではどうしようもできない。あと30分程もすれば誰かしらは起きてくるだろう。長すぎる。これほど早く起きたことを後悔したことはない。
せめてこいつを退治できる人が起きてくるまでこいつを洗面所から出す訳にはいかない。近くに置いてあった洗面器を取り勢いに任せヤツを捕まえる。中からはかさかさ、とこの世で最も恐ろしい音が耳に入ってくる。
すると遠くから足音が聞こえてくる。救世主の顔を見るとスンミンだった。助けてくれ、そう言おうとすれば俺と手で抑えられた洗面器を見て察したのか逃げられる。俺も切実にここから逃げ出したい
その後、何分かした頃リノヒョンが現れる。だがこのヒョンに助けてもらえるとは最初から思ってはいない。もう諦めている。案の定お前が見つけたんだからお前がなんとかしろと言われた。慈悲の欠片もないヒョンである。
もう諦めてこいつを自由な世界へと旅立たせてやろうか。抑えていた手の力を少し緩める。
「ヒョン何してるの？」
声の主は俺が求めていた本当の救世主だった。こんなに俺のたった一人の弟、ヤンジョンインが頼もしく見えたことはない。ヤツの出現の動揺のせいか幼稚園児もびっくりな語彙力で事情を話すとすぐに始末してくれた。
大きい借りを作ってしまったな。
朝食を食べに向かう頼もしく広い弟の背中を見ながら俺はあいつが前かわいいと言っていた服をカートにそっと入れるのだった。
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原田(プロフ) - メリアさん» ほんとですか〜!?嬉しすぎますㅠ まさか夢主くんのような方がいるなんて！笑 親近感持っていただけたみたいで嬉しいです！ありがとうございます〜！ぜひこれからも読んであげてください>< (2023年5月2日 20時) (
レス) id: 4f44ce53dd (このIDを非表示/違反報告)
メリア(プロフ) - 初めまして,朝から晩まで夢小説を読み漁っている生粋のオタク(？)なのですが、原田さんの書かれてるこちらの作品が今1番楽しみにしてる作品です。私自身も警戒心を母のお腹に置いたまま成人したタイプなので夢＋親近感も味わってます。これからも応援させてください♡ (2023年5月2日 1時) (レス) id: d93d75067b (このIDを非表示/違反報告)
原田(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます〜！ほんとですか〜！チャニとの絡み、好きと言っていただけてよかったですㅠ続編も頑張ります〜！コメントありがとうございます！ (2023年4月26日 20時) (レス) id: 4f44ce53dd (このIDを非表示/違反報告)
原田(プロフ) - ぴろりさん» ありがとうございます〜！ほんとですか！そのお言葉、すごく嬉しいですㅠなんとか続編頑張ります…！コメントありがとうございました！ (2023年4月26日 20時) (レス) id: 4f44ce53dd (このIDを非表示/違反報告)
原田(プロフ) - しゅがあさん» ありがとうございます〜！続編頑張りますね〜！その時はぜひ見ていただけると嬉しいですㅠ愛されてる感が出せてるみたいで安心しました笑 コメントありがとうございます…！ (2023年4月26日 20時) (レス) id: 4f44ce53dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：原田 | 作成日時：2023年3月19日 17時
