北の海の魔女短編＆番外編Ⅱ 【ONE PIECE】 (ページ42)

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Aの予想に反して、男を迎えに来たのは、若い海兵ではなかった。

『嘘...なんで...、なんでおつるさんが...、』

「A、あんたがロシナンテを助けてくれたのかい...。」

ロシ「...知り合い、だったのか...？！」

見つめ合ったまま固まる、Aと、おつる。
その様子に、ロシナンテが慌てて口を挟んだ。

ロシ「...おつるさん！彼女が賞金首なのはさっき知ったんだ！無理言って一緒に待っててもらってた...！だから...！」

つる「分かってるよ。...ただ、事情聴取には来てもらう。...大丈夫、お前の聴取には、私とガープで当たろう。」

『...逃げ出そうと思えばいつでも逃げられるし...付き合うよ。』

ロシ「...は？ガープ中将？なんで...、」

Aとおつるの関係性に加え、名前が上がるのは海軍の英雄。
混乱するばかりのロシナンテに、Aは苦笑いを漏らした。

『言ったでしょ、私は魔女。指名手配されたのはもう100年以上前だし、ロジャー海賊団時代に、ガープには世話になってね。』

ロシ「は？え、でえええ？！ッ、いってぇ！」

『こけた？！』

◆◆◆

海軍本部へやって来ると、またも懐かしい顔と再会した。

『...センゴクまで...、別に私はー、』

セン「ロシナンテ...！！」

『...はい？』

センゴクはAに目もくれず、ロシナンテを抱き締めた。

『へぇ...無視か...。』

つる「...詳しい話は後でしてあげるよ。部屋においで。」

『...あ、海軍おかき出して。あれ好き。』

今度は何やらロシナンテに説教を始めるセンゴクを横目に、Aはおつるに連れられて海軍本部の奥へと進む。

◆◆◆

『状況説明ってもね...たまたま死にかけたロシナンテを見つけたから、回復付与魔法をかけただけ、なんだけどね...。』

つる「...じゃあ、あの子があぁなった経緯については何も知らないのかい？」

『うん。近くでは誰も見てないし...。その辺の話は、ロシナンテ本人に聞いた方がいいんじゃないの？』

つる「...あの子からは、センゴクが話を聞いてる筈だよ。ロシナンテとセンゴクは...親子みたいなものさね。」

『へぇ。』

Aが、興味なさげにお茶を啜る。

つる「...何故、助けたんだい。」

『なに、犯罪者が人助けしちゃおかしい？』

おつるの質問に、Aはあからさまに顔をしかめた。

つる「馬鹿な事を言うのはおよし。...あれ以来、姿も見せないで...。」