北の海の魔女短編＆番外編Ⅲ 【ONE PIECE】 (ページ22)

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＊ページ22

『忘れたくないの。...私が生きてきた中で、今が一番幸せだから。』

苦痛と慈愛が交錯する。
いつかは私を置いて、みんないなくなってしまうなんて。

「...。」

バギーの表情は読めない。

『ローみたいな心も顔もイケメンなんて、この先もう一生会えないだろうしね！...うわぁ？！』

Aは誤魔化すようにおどけた。
バギーが無言で手を戻すと、引っ張られてAもバギーの腕の中に収まる。

『...バギー君？』

「俺がしてやれる事は何もねェ。トラファルガーなんかより、お前を前から知っていてもだ。」

バギーは空いた片手を飛ばすと、今度は何やら自分の荷物を探り始めた。

「A、忘れねェでくれよ。俺のことも、お前が大事に思う奴らのことも。...俺たちの、偉大な船長のことも。」

バギーがそう言って、飛ばした片手を手繰り寄せた。そこに握られる、1枚の手配書。

『あ...これ...。』

「これだけ綺麗な状態のは、もう世界中どこ探したってねェだろうな。...大事にしろよ。」

『くれるの...？』

呆然とバギーを見上げる。

「当たり前ェだ、俺たちは仲間だろ？」

『あ...りがと...。』

正直、諦めていた。
どこを探しても、褪せてボロボロの手配書しか見つからなかった。
涙が溢れる。

『...忘れたくなかった...ロジャーの...船長のこと...！ありがとう...！！』

「ケッ、らしくねェことしちまったな。ホラ、それ持ってとっとと帰りやがれ！」

バギーの照れ隠しか、Aをポンと前に押しやると、顔を赤くして背けた。

『...へへ、変わんないね。バギー君、ありがとう。ずっとずっと、大事で大好きな仲間だよ。』

Aはそう言い残して空間転移していった。
Aがいたあたりを一瞥すると、バギーも頭を掻きながら立ち去るのだった。

「ロジャー船長、Aは幸せそうですぜ...。」

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解釈違い起きるぞこれ
シャンクスよりバギーにやらせたかった話