学パロ�� ページ6
お前、タカとなんかあったべ
リョウの言葉に、コントローラーを持つ手が一瞬止まる。
ああ、なんでもお見通しなのか。
「...あったよ、フラれた。」
観念して、正直にそう答える。
「やっぱりね。」
短くそう一言。
直後ー。
「なんで僕じゃないわけ...？」
リョウに押し倒されて、その表情は、とても苦しそうだった。
「そんで、なんであいつはAのこと振っちゃうわけ？...僕の気も知らないでさ」
「あの...リョウ？」
「好きなんだよ。Aのことが。」
静寂。
押し倒された格好のまま、リョウは視線を逸らす。
...気が付かなかった。私は、なんて答えたらいい？...タカも、こんな風に困ったんだろう。
「おまた...せ...」
間の悪いことに、タカが扉を開けてしまった。
いつものように部活で遅れて来たようだった。
「なーんか、邪魔しちゃいました？今日は帰るわ」
「まっ！タカ、おい西郷！違うんだって！」
タカがそのまま扉を開けてを閉めてしまって、リョウが慌ててその後を追う。
ひとり残された私は、どうすることも出来ずにただ二人が出ていった扉を見つめていた。
−−−−−−−
数日後。
あのあとリョウが帰ってきて、とりあえず誤解は解けたから、とだけ言っていた。
具体的にどう解けたのか分からなかったけど、憔悴しきるリョウに詳しく聞く気にならず、曖昧なまま日々を過ごしていた。
「ねぇA、聞いた？2組のマドンナの桃ちゃん、彼氏出来たんだって」
クラスメイトの杏が珍しくそんな話題を振ってくる。
「へー。そうなんだ。」
他人の惚れた腫れたに興味ないけど、同じくドライな杏がそんな話題を持ってくるのは珍しかった。
「...あんた聞いてないの？相手、西郷らしいけど」
「...へぇ」
「聞いてないのかー。なんか、桃ちゃんから告ったらしいよー。んで、ゴリラは振ったらしいんだけど、お試しでいいから付き合って欲しいって桃ちゃんから迫ったんだってさ〜。案外強引よね」
「...お試しかぁ、それくらい押せたらなぁ」
「なんか言った？」
「いや、なんも。」
「幼馴染ならなんか聞けると思ったんだけどな〜。」
杏は自分の席に向き直って、雑誌を読み始めた。
私が何も知らなかったためか、この話題には興味をなくしたらしい。
...彼女、出来たんだ。
癒えてきていた痛みが、またジクジクと胸のあたりを蝕む。
どうして、私じゃダメだったんだろう。
嫌な考えが頭を過り、そんな自分が醜く思えて、机に突っ伏した。
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名無しの夢女子(プロフ) - ああさん» ああ 様 コメントありがとうございます！更新が遅く作品数も少ないですが、そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年11月17日 8時) (
レス) id: 06e76053a7 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - とてもよかったです…言葉が出てこない…本当に感謝しかない…… (2020年11月17日 1時) (レス) id: fb3a4c12cf (このIDを非表示/違反報告)
名無しの夢女子(プロフ) - ヨーグルトさん» ヨーグルト様 お返事遅くなり申し訳ありません。あまり更新しないにも関わらずコメントありがとうございます。嬉しいです。好みだと言ってくださって光栄です！更新頑張ります！ (2019年9月26日 21時) (レス) id: 06e76053a7 (このIDを非表示/違反報告)
ヨーグルト - とても好みです！更新楽しみにしてます！ (2019年9月7日 0時) (レス) id: 928a25f9d8 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの夢女子(プロフ) - 32さん» 32様 コメントありがとうございます！そしてお褒め頂き嬉しいです！なかなか亀更新で申し訳ないのですが...頑張ります！ (2019年5月7日 9時) (レス) id: 06e76053a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しの夢女子 | 作成日時：2019年4月10日 0時
