[番外]ツナの双子はヒーローになりたいそうで。 (ページ24)

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「ごめんね～。夕食って言っても簡単な物だけど…」

冬美に呼ばれ、リビングにやって来た轟と理絵。

ダイニングテーブルには急いで作ったであろう少し形の崩れたオムライスが置いてある。

「ケチャップは自分でどうぞ♪」

にこやかに言う冬美に理絵はメイドカフェに居てもおかしくないのではないかと思った。

「あ、理絵ちゃん。場所焦凍の隣でもいいかしら？」

「全然どこでもいいですよ。なんなら自分の部屋でも構わないですよ？」

理絵は「は…それは流石に……」という目を向けている轟に気付き、冗談だからと真顔で座る。

「沢田は冗談言わねぇだろ……」

轟は自分のオムライスに理絵がケチャップで何かを書いている光景を見てボソっと呟いた。

　

「しょうがないなぁー。悩めるヒーローの卵ショート君に私、沢田家の理絵が名言をあげようぞ」

ほれと渡されたオムライスには理絵の丸っこい字でこう書かれていた。

『全て死ぬ気で突っ走れ』

「………おい沢田。どういう意味だ？」

「むぐっ……え、何が？」

意味を聞こうとした轟だが、理絵がオムライスを美味しそうに頬張っているのを見て、自分も食べはじめるのだった。