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「うーん。部屋どうしよっか……」
現在、理絵は轟家にて冬美と家の中を行ったり来たりしている。
「ここはキッチンで、こっちがお風呂場ね〜。あと…ここが私の部屋、2個向こうが焦凍の部屋！何かあったら遠慮せずに言うのよ！」
いきなり入ってくる新しい情報の整理が追い付かない理絵は「……ハ、ハイ」としか言えなかった。
「あ、この部屋でもいいかしら？一番はしっこの部屋だけど……」
そう言われ、中をのぞいてみると……
「うわぁ…きれい」
部屋からは庭が見えるようになっており、美しい自然が理絵を包む。
「ここがいいです私」
「本当にいいの？さっきまで物置だったのよ？」
ワタワタとしている冬美に対し、理絵はふんわりとした笑顔で「はい」と答えた。
「………ひとまず説明したけど、分からない事は聞きなさいよ？」
そう言い残し、冬美は部屋から出ていく。
「(なんか本当にヒバリさんの家みたい…)」
理絵の部屋は落ち着いた和室。中央には小さな木の机が置いてあり、その上にはシャーペンと便箋がちょこんとおかれている。
部屋の左側にはよく分からない大量の本が入った本棚があり、理絵の部屋と少し似ている気もする。
反対側の右は何もなく、今のところは持ってきたリュックと冬美に貸してもらった服などがおいてある。
「けほっ！……ふう。だいたいそろったかな」
いきなり出てきた理絵が腕に抱えてあるものは大量のぬいぐるみ。しかもヒバードだ。
そのぬいぐるみを部屋の隅っこなどに置くと、一瞬にしてヒバードルームに。
「ヒバリさんにもらえてよかった…これだけあれば、家にあるぬいぐるみの代わりにはなるかな」
どうやら自分の部屋にあるナッツや瓜などに似せて作ったアニマルぬいぐるみの代わりらしい。
「理絵ちゃーん！ご飯できたよー！」
そんな冬美の声に理絵は「今行きます」と行って、部屋を出ていこうとした。
だがドアを閉める時、机の上に置かれていたスマホの画面がついているのに気づく理絵。
「……お兄ちゃん…」
ツナからの電話だった。いつもの理絵ならツナだとわかると3コールまでには出るのだが……
「…………」
「沢田？姉さんが呼んでたぞ。いかねぇのか？」
いきなり入って来た轟に驚き、スマホを巨大ヒバードぬいぐるみの下に隠す。
「ご、ごめん。今行くから……」
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作者名：脳内お花畑少女 | 作成日時：2017年5月11日 20時
