↓ ページ3
一方１０年後に飛ばされた理絵は………
「(いきなり敵がいてびっくりした……１０年後の私は何してたんだ？)」
冷静に周りの状況を見て、立ち尽くしていた。
中学の時も１０年後の未来に飛ばされ、しかも敵と戦ったのだ。このぐらいはパニックにならない。
「おい。そっちは終わったか？」
後ろから聞こえる声に理絵は振り向かないで、幻術を使い、銃を手に持つ。
コツコツ…と近づいて来る足音に汗が垂れる。
「おい。返事ぐらい…」
相手が言い終わるよりも先に手に持ってい拳銃を構える。
が、よくわからない感覚に襲われて幻術がとけてしまう。
相手はフードを深く被っており、顔が見えない。
あの未来に来た時の恐怖が理絵を襲う。
(「理絵嬢……すみません。俺がふがいないばかりに………１０代目は………」)
(「すまねぇ。リエ。あやまっても無駄だって事は分かってる。だが……すまねぇ」)
「ぃ、いやだ………。お兄ちゃん…。嫌だよっ……！」
そう言うと泣き崩れる。
すると、誰かに抱きしめられたかと思うと、目の当たりがひんやりとした。
「しっかりしろ理絵。俺がついてる。」
そう言われて理絵は顔を上げると、赤と白の髪が特徴的な見慣れた顔があった。
「とどろき？｣
理絵は先ほどとは違って状況が掴めずに目が点になっている。
「あぁ。そうだ。轟だ。轟焦凍だ。」
フードを取った轟は高校とあまり変わらなかった。
ーーーーーーーー
「えっと……あの…すいません。泣き止むまで…」
あの後、何故か安心した理絵はまた泣き出してしまった。
１０年後の轟は迷惑なんて顔をせずに泣き止むまでいてくれたのだ。
「あの…なので､もう離してもらっても……」
実はまだ轟の腕の中にいる理絵。さすがに泣きじゃくっていたと冷静に考えれば恥ずかしい。そして、イケメンの腕の中にいる。ダブルで恥ずかしい。
だが、轟は何も言わずに抱きしめている。
「あのー……離してもらっても……轟さん」
"轟さん"と言うワードにピクッと反応する轟。
すると今度は首元に頭をスリスリとしてくる。
「(なんか猫みたい……ってくすぐったいっ！)」
ツインテールなため、サラッと髪の毛が首元をくすぐる。
腕の中から出ようと体をねじるが、がっちりとホールドされているので出れない。
「(待って……１０年バズーカなんだから時間限られてるし…)」
あわあわしていると、轟が驚く事を言う。
「名前で呼んでくれねぇか……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：脳内お花畑少女 | 作成日時：2017年5月11日 20時
