↓ ページ15
｢ランボ！｣
勢いよくドアを開けた先には……
｢かわいい〜！僕どこの子？迷子？｣
白い髪の女性がランボを抱きあげていた。
｢……ランボてめぇ…｣
理絵のリングが紺色の炎をともしているとランボが気づいたらしく
｢あー！リエ遅いじょー！｣
なんて言うものだったので、頭にげんこつを入れた。
｢スミマセンでした。ウチの者が……｣
ランボをわしづかみにして謝罪をする理絵に女性は｢良いのよ｣と笑顔をこぼす。
｢何かお詫びをさせてください｣
何が良いですか？と尋ねるが、
｢いや、本当にいいのよ！癒されたし｣
と返される。
｢それは私が許せません｣とあきらめずに言うと、女性は苦笑いをする。
｢そうね……だったら｣
｢貴女の時間があるだけ私とおしゃべりしてくれないかしら？｣
ちょうど退屈だったのよねとキラキラとした笑顔で言われる。
｢そんなので良いんですか？｣
｢ええ！貴女の事を教えて？｣
こうして理絵は笑顔が素敵な女性と話す事になった。
｢私は沢田と言います。沢田理絵です｡｣
こっちはランボですといつの間にか理絵の腕の中で寝ているランボを指す。
｢理絵ちゃんって言うのね！すごく素敵だわ！私は轟です｣
｢(………轟？お母さん？でも同じ名前は何人もいるか)｣
少し疑問を抱いた理絵だったが自分で解決した。
｢理絵ちゃんは兄弟とかいるの？｣
顔を覗き込まれハッとする理絵。
｢あ、はい。いますよ。私双子なんですけど、あんまり似てないって言われるんです｡｣
ーーお前がダメツナの妹か？全然似てねーな。本当に血繋がってんのか？ーー
ーーさすがリエだよね〜！兄のダメツナとは大違い！ほんとに双子なの？ーー
ーーお前あのダメダメな兄と一緒にされて悲しいヤツだよなーー
繋がってるし、ほんとに双子。別に一緒にされて悲しくなんか無い。
俯き、今まで言われてきた事が鮮明に思い出される。
｢兄はいつも私と比べられてばかりなんです。勉強もスポーツも恋愛もなにもかも……｣
｢人には色々な個性があります。だからできるできないはあるんです。もちろん双子にだって。｣
涙をぽろぽろと流しながら話す理絵を優しく見る。まるで実の娘の話をきいているかのように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：脳内お花畑少女 | 作成日時：2017年5月11日 20時
