episode1 赤頭巾7 ページ7
私は、オオカミに条件を二つ言った。
一つ目の条件は、頭や首や胸を食べないこと。足や腕から食べること。
二つ目の条件は、一気に引きちぎって食べるのではなく、少しずつ食べること。
この二つを条件にしたのは、理由がある。
頭や首や胸を食べてしまったら、もしかしたら急所にあたって死んでしまうかもしれない。なので、無くなっても問題の無い腕や足を食べるように言った。
だからと言って、一気に引きちぎって食べてしまったら出血多量やショックですぐに死んでしまう可能性があるから。
私はオオカミに家までの道を教えると、オオカミはとぼとぼと歩いてすぐに行ってしまった。
あの子は少し、どんくさいから道に迷わないか心配だけれど。家は近いからまあ大丈夫でしょう。
私はまだ家にいかない。
なぜなら、母を殺すための武器や飾りを調達しなくてはいけないから。
ちょうどいい事に、母がオオカミが苦手だったんだわ。あのオオカミに感謝しないと。
本当は少しだけ食べられているところを見たかったけれど、それは後のおたのしみにという事にしておいた。
余計な事をしている暇はない、早く武器を調達しなければ。
「……うーん、とりあえず鉄の棒と鉄の刃と鉄のナイフでいいわ」
ゴミ置き場に落ちていた三つの武器。
特に、この鉄の刃だなんてギザギザと小さな刃がたくさんついていて引いたり押したりしながら切るとものすごく痛そうだ。
「今頃お母さん……どんな風になっているかなぁ？」
目を閉じて、お母さんとオオカミを思い浮かべる。
狂ったように母を食べているオオカミ。母はそれに痛み、苦しみながら「やめて、やめて」と叫んでいる姿。考えるだけでにやけてしまう。
お母さん、もうすぐだよ。もうすぐ私が来るからね。
バクバクとなる心臓と、ハァハァと乱れる呼吸。早く、早く私の家に！！
とにかく私は走った。一秒でも早く、お母さんの姿を見るために。
そして、やっと着いたのだ。
家のドアの前に立つと、さらに心臓は跳ねた。
あまりの夢中さにヨダレも出ていたみたいだ。口の周りが少し濡れている。
深呼吸をして、「よしっ行くぞ」と自分に言い聞かせる。
そして、運命の瞬間がやってきた。
開けると同時に、ギィィ……となるドアの音。
しかし、そこには――――
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鴨婿(プロフ) - 大丈夫ですよ。続きの方楽しみに待っています！ あと失礼だと思いますが――その文才うちにも分けてください OTL (2015年8月1日 22時) (
レス) id: 4b1fe03e9f (このIDを非表示/違反報告)
小豆川(プロフ) - 鴨婿さん» すいません、誤字でした( ;∀;) 最近誤字が多いので、気を付けたいです((+_+)) 誤字確認ありがとうございました！ (2015年8月1日 21時) (レス) id: 35d8d379c2 (このIDを非表示/違反報告)
鴨婿(プロフ) - 思ったのですが、ヘンゼルとグレーテルの22話。「招待」が「正体」になってますよ？ (2015年8月1日 21時) (レス) id: 4b1fe03e9f (このIDを非表示/違反報告)
小豆川(プロフ) - 緑茶さん» コメントありがとうございます！私的には今までこの物語を書いてきて、次の話から「展開の盛り上げ」が大きくなっていきます。本当の「狂気」童話は次の話からです(/・ω・)/キャラをたくさん活躍させていきたいです！コメントありがとうございました！ (2015年8月1日 20時) (レス) id: 35d8d379c2 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶(プロフ) - ハンス！？どうなっちゃうの！？はじめまして！緑茶です。いつも次回の展開を想像しながら見ています！！毎度毎度ストーリーに目が離せなくて物語にどんどん引き込まれていきます！！作者さん、すごく小説かくの上手なのでこれからも頑張ってください！ (2015年8月1日 20時) (レス) id: 8df022a000 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆川 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/112121/
作成日時：2015年4月22日 21時
