episode1 赤頭巾２ ページ2
そして、金貸し達が帰ると母はものすごい形相で睨み、「お前のせいだ」と叫んで私を殴る。
だけれど、そんな母が私にはいとおしくて仕方が無かった。
なぜ、こんなにも愛おしいかはわからない。いや、理由なんてないのかもしれない。
どんな姿の母でも、私はいつも母を見るとぞくぞくと体が火照っていった。
これは愛。そう、私の母に対する愛。
だけれど、母はいつも男しか見えていなかった。
母が私を見るのは私を殴るときだけだった。
そんな母を見ると、私の胸はきゅうっと締め付けられて涙が出そうになる。
母は私の事が大嫌いだったに違いない。それでも、私を見てくれている気がして嬉しかった。
それ以外は私を見てくれない、母が憎い。だけれど、いとおしい。
これは、一年前までの私の生活だった。
今の母は栄養失調とストレスで髪は白くぱさぱさになり、足腰も悪くなっているみたいでベッドにいつも横になっている。
そんな母は私に命令をして少ない金を持たせて果実を買いに行かせるだけ。
三か月前までは物をなげてくるまでの力はあった。しかし、今の姿を見てみよう。
いつも重そうな瞼を閉じて、時々寝言で男の名前を幸せそうにつぶやいているだけの廃人だ。
そんな母になってしまってからは、食べ物を食べるのが少なくなってしまった。おかげで今はひもじくて仕方が無い。
しかし、それは逆にチャンスだとも思う――――
今の母は動けない。たとえ、母の大好きな男が来てもだ。
それは、もうすぐ母が死ぬ合図なのだ。
このまま放っておいたら、母は廃人なりの幸せに絡まりながら死んでいくのだろう。
だけれど、そんな幸せだなんて見せない。
母は私の手で殺す。なるべく、苦しめながら。
そうすれば、きっと私を見てくれるから。
母の目は私だけに向いてくれるはず。
そう思うと、やっぱりぞくぞくと背中に針が走って行った。
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鴨婿(プロフ) - 大丈夫ですよ。続きの方楽しみに待っています！ あと失礼だと思いますが――その文才うちにも分けてください OTL (2015年8月1日 22時) (
レス) id: 4b1fe03e9f (このIDを非表示/違反報告)
小豆川(プロフ) - 鴨婿さん» すいません、誤字でした( ;∀;) 最近誤字が多いので、気を付けたいです((+_+)) 誤字確認ありがとうございました！ (2015年8月1日 21時) (レス) id: 35d8d379c2 (このIDを非表示/違反報告)
鴨婿(プロフ) - 思ったのですが、ヘンゼルとグレーテルの22話。「招待」が「正体」になってますよ？ (2015年8月1日 21時) (レス) id: 4b1fe03e9f (このIDを非表示/違反報告)
小豆川(プロフ) - 緑茶さん» コメントありがとうございます！私的には今までこの物語を書いてきて、次の話から「展開の盛り上げ」が大きくなっていきます。本当の「狂気」童話は次の話からです(/・ω・)/キャラをたくさん活躍させていきたいです！コメントありがとうございました！ (2015年8月1日 20時) (レス) id: 35d8d379c2 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶(プロフ) - ハンス！？どうなっちゃうの！？はじめまして！緑茶です。いつも次回の展開を想像しながら見ています！！毎度毎度ストーリーに目が離せなくて物語にどんどん引き込まれていきます！！作者さん、すごく小説かくの上手なのでこれからも頑張ってください！ (2015年8月1日 20時) (レス) id: 8df022a000 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆川 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/112121/
作成日時：2015年4月22日 21時
