最終章 シンデレラ14 ページ36
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「嘘……でしょ?」
私はポストに入っている手紙を見て思わずそう呟いた。
――私の娘が魔女に殺され数年たった。
私の娘はこの母親の私でも信じられないくらいの演技力を持っていた。
美しい娘はどんどんと男を虜にして言って、最終的には私が「白雪を殺せ」と命令したオオカミの洗脳を解きはらって一緒に逃げた。
そんな憎い娘はオオカミと共に殺されたはずだった―――のに。
私はこの今手に持っている「現実」を受け入れられていなかった。
「そんな……嘘に決まっている!!」
手紙をピンと張りよくその内容を読んでみる。
しかし、そこに書かれているのを紛れもない事実。
心の奥底から湧いてくる怒りに耐えられず思わず手紙を叩きつけた。
「……あの女ぁ!!」
髪の毛をボリボリ書いて手紙を睨む。
なぜ、城からこんな手紙が届くの。
なぜ、ダンスパーティーに招待されているの。
――なぜ私の「娘」がダンスパーティーに招待していると書かれているの。
「どういう事よ!!」
手紙を思い切りパンプスで踏みつけた。
たとえ、手紙がぐしゃぐしゃになっても土で汚れてしまっても何度も何度も踏みつけた。
あの魔女が娘を殺したはずじゃないの!?
どこに怒りを向けてもおさまるはずがなく、ただただ手紙を踏みつけることしかできなかった。
「あの魔女が……仕留め損ねたという事!?」
魔女に対する怒りと娘に対する憎しみが交差して、何をしているのかわからなくなった。
ただ、私は暴れていたという事はなんとなくわかった。
「……ああ!!」
この一言で手紙を踏みつけるとなんとなく冷静になってきた。
ハァハァと荒れた呼吸を整えたら、私が母を殺した時の光景が頭をよぎった。
そういえば、さっきの感情はあの時と一緒にいた男を殺した感触と似ているかもしれない。
そう思うとなんだか切ない気持ちになりため息をついた。
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弥生2nd(プロフ) - 更新待ってます！狂気系が大好きなのでとても面白かったです！ (2020年4月12日 16時) (
レス) id: c09bebec20 (このIDを非表示/違反報告)
白猫とみせかけてアルビノの黒猫(プロフ) - 読ませていただきました。更新を待っています。永遠に… (2018年4月7日 1時) (レス) id: 18a6a661ff (このIDを非表示/違反報告)
狂桜花 - 一番最初から読ませていただきました(*^^*)物凄く緊張感があって背中がゾクゾクしました(笑)最終回楽しみにしています！更新頑張って下さい！あと『償いアリス』に一票です！ (2015年12月12日 9時) (レス) id: afbc5a8e6c (このIDを非表示/違反報告)
子狐。 - 償いアリスに一票です。最終回楽しみにしています。 (2015年10月20日 16時) (レス) id: 2b9fb3470a (このIDを非表示/違反報告)
真庭朱雀(プロフ) - 『償いアリス』に一票です！理由は今回の狂気童話で小豆川さんの書くホラーのファンになってもっと読みたいと思ったからです！最終回楽しみにしてます！ (2015年10月12日 19時) (携帯から) (レス) id: 9a9ad35bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆川 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/112121/
作成日時：2015年8月1日 21時
