最終章 シンデレラ9 ページ31
「うっ！！」
いきなりの事に私は動揺して後ろへ倒れこんでしまいそうになった。
ギュッと熱がこもった手が私の首を思い切り掴んでいる。
夢の中なのになぜか苦しく、呼吸がうまくできなかった。
「はな……し……なさいよっ！！」
思い切り母を押すと案外あっけなく後ろへと下がっていった。しかし、下がっていった時の私を睨んだ瞳を見た時何故か腹の底まで凍らせるような感触がした。
私はくるしさにせき込み嗚咽を吐き、少しの涙が目に浮かばせた。
「いきなりなにするのよ！！」
そう叫ぶと冷たい母の瞳が私の方へとグリン、と音を立てるように向いた。
まるで私に失望したような、そんな瞳に私は無性に悲しさを感じた。
なぜそんな目で見るの、私は貴方との戦いをもうやめたいのに。なぜ私を失望した目で見るの。
そう言いたいけれど、母の雰囲気がそれを言わせてくれなかった。
「それはこっちの台詞よ？白雪」
「な……んでよ……」
「貴方は自分の愛する人を忘れたの？」
その瞬間、ふとハンスの顔を思い出した。
優しかったハンス。
時には厳しかったハンス。
笑顔が格好いいハンス。
私だけの……ハンス。
――何をやっているのだろうか、私は。
私は今更優しい女になりたかった？
ハンスへの愛を忘れようとして、楽を求めようとした？
そうだ、私はハンスを愛していた。ベティーナを自らの手で殺めてしまうほどに。嫉妬してしまうほどに。
私はハンスが大好きだった。いや、そんなものではない。愛していた。
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弥生2nd(プロフ) - 更新待ってます！狂気系が大好きなのでとても面白かったです！ (2020年4月12日 16時) (
レス) id: c09bebec20 (このIDを非表示/違反報告)
白猫とみせかけてアルビノの黒猫(プロフ) - 読ませていただきました。更新を待っています。永遠に… (2018年4月7日 1時) (レス) id: 18a6a661ff (このIDを非表示/違反報告)
狂桜花 - 一番最初から読ませていただきました(*^^*)物凄く緊張感があって背中がゾクゾクしました(笑)最終回楽しみにしています！更新頑張って下さい！あと『償いアリス』に一票です！ (2015年12月12日 9時) (レス) id: afbc5a8e6c (このIDを非表示/違反報告)
子狐。 - 償いアリスに一票です。最終回楽しみにしています。 (2015年10月20日 16時) (レス) id: 2b9fb3470a (このIDを非表示/違反報告)
真庭朱雀(プロフ) - 『償いアリス』に一票です！理由は今回の狂気童話で小豆川さんの書くホラーのファンになってもっと読みたいと思ったからです！最終回楽しみにしてます！ (2015年10月12日 19時) (携帯から) (レス) id: 9a9ad35bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆川 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/112121/
作成日時：2015年8月1日 21時
