ハナノゲンソウ

ゲンソウ２ ページ2

「……っだぁー!疲れたー!」

オレは玄関に着いた途端、 力が抜けたようにその場にへたりと座り込んだ。
いつもより疲れが多い気がする それは、巧から聞いた「花ノ幻想」が気になって仕方が無かったからだろうか。
しかし何で「花ノ幻想」にこんなにも興味が持ったのだろうか 部活中でも、気になりすぎて集中ができなかったくらいだ。

「まあ、 さっさと検索してみるか……父さーん!パソコン借りるからー!」
「わかった 変なものは検索するなよ」

父さんにそう言われ、 オレは椅子に座る。
出会い系サイトだなんて調べねーよ……心の中でそう呟きながら、俺はキーボードを打っていった。
部屋にカタカタとキーボードを打つ音が響く そこでオレはある事に気が付いた。
そのある事とは、「花ノ幻」まで打ったが、 検索候補に「花ノ幻想」が出てこない事だ。

「…普通は出てくると思うんだけどな」

きっと、 話題が古くなってあまり検索されなくなっただけだろう。
そう思ってオレはあまり気にしない事にした そして、 「花ノ幻想」まで打ちENTERを押した。

「……んん?」

オレは映し出されたPC画面をよく見た そして、 また試すようにENTERを押す。
―――妙だ、 何度検索しても「花ノ幻想」の検索結果が１件しかない。

「おかしいなー」

もっと検索結果が出ても良い筈なのに 少なくとも「花ノ幻想」に関係していない事も出てくると思うのだが。
オレは首をかしげながらその１件の検索結果をマウスで押した。

「何だよこの詩みたいな物?」

そこに出てきたのは、真っ黒の画面の中に赤い文字で書かれている詩のような物だった。
その詩の内容とは、 何となく変な物が出てくると予想できていたが、予想より奇妙な物だった。

『…タイタイタイタイタイ

アイタイアイタイ

キミノホ…モノニアイタイ

チョイチョイキテクレレバイタイノカンセイ

タイタイタイ

アイタイナ』

たったそれだけだった。
たったそれだけの文章がPCの液晶に映っている 他には何の文も書いていない そしてこれを誰が書いたのかも。

「…とりあえず明日巧に教えておくか」

オレはそう呟きながらPCの電源を切った。
何となく後味の悪い物だった オレはモヤモヤとした気持ちでPCから離れていった。

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