第九十九夜 神の子と妖狐 ページ9
急いで駆け込んだのは良かったが、次の時間は先生出張の関係で自習だった。
特にすることもなく、頬杖をつきながらペンを回していると、隣の席の椅子をガタッと引く音が聞こえる。
「隣、いいかい？」
「どうぞ」
自習時間とは言ってもほぼ休み時間と化している。ガヤガヤと騒がしくなった教室で、空席となったボクの隣の席へ腰掛ける幸村。席の主である女子が「私の席に幸村様が！！」と顔を紅潮させて叫んでいた。
そういえばあいつミーハーだったな…
「…気分を害したなら謝ろう」
「別に構わないよ。そもそも白銀のせいじゃないだろう？」
そう言いつつ互いに苦笑を浮かべる。ボクの隣の席のミーハー女子はきゃあきゃあと嬉しそうに悲鳴をあげ、他のミーハーもきゃぴきゃぴと羨ましそうにしながら話し込んでいた。言うのは悪いが、甲高い声が少々耳障りだ。
ミーハーを毛嫌いする気持ちがわかったかも。
「白銀は何やってるの？」
「特に何も。自習って苦手なんだ。明確な目的を与えてもらわないと落ち着かない」
「白銀のそういうところって柳っぽいっていうか、仕事人間だよね。その勤勉性を少し仁王に分けてあげて欲しいよ」
「あいつのサボり癖はひどいからな…なんで見た目は兄妹並みに似たのに性格は真逆なんだ」
入学当初学校生活に慣れるまでの間、何かと雅治と行動していた時には「兄妹か」と聞かれたものだ。
まぁ、元々銀髪は目立つからな。
「でも白銀が入部してくれてからは仁王を探しに行く手間も省けて助かるよ。いつも場所がわかるからすごいよね。双子並みに考えてること一緒だったりするの？」
「まぁ思考も多少なり似てるのは否定できないが…あいつは涼しい場所にいることが多いからな。あとは匂いと物音だ」
「物で釣ると案外引っかかるぞ」と言うと「そんな猫じゃあるまいし」と笑って返される。
確かに雅治は自由気ままに飄々とした猫のようなイメージがあるような、ないような。
まぁ猫といえば美雪だけど。そういえば合図で使った時から下の名前呼びが定着したな。
「特に『焼肉』って単語には敏感に反応するはずだ。一回目はアッサリ引っかかったりしてな」
「本当？今度試してみようかな」
その方法だと赤也にも使えるだろう。雅治は一回きりでも赤也なら何回でも使えそうだ。
そのまま授業の終わりまで話は尽きなかった。途中「貴様ら！真面目にやらんか！！」と真田が乱入してきたのは印象的だったな。
なんでも鎮圧してこいとA組の先生に頼まれたらしい。
御神籤の王子様 ver.四天宝寺
小吉っすわ。メンド…
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ノア(プロフ) - パンドラさん» ありがとう( *｀ω´)ベッタベタな内容だけどやっと恋愛方向にも走れました（笑）ちまちま更新していくのでこれからもよろしくです！ (2016年1月23日 19時) (
レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
パンドラ(プロフ) - 回を重ねる度にどんどん面白くなっていきますね！流石です！ (2016年1月23日 17時) (レス) id: 4b52225c75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2016年1月19日 17時
