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第百三十五夜 生きていなければ起こり得ない ページ46

「第一に『天帝』とは何か、ということですが、ざっくり言うと「王にして神」といったところでしょうか。私たち妖族の頂点に立つ王であり、尚且つその全てを統べる神なのです」
「『───其は現人神。其無くして我等無かれ。
其は気高き王者。其に従わん事苦を意味す』…っちゅーことっスか」
「おや、ご存知なかったのでは?そのフレーズはどちらで?」
「オヤジがよく言うてたんです。何のことかわかりませんでしたけど、今思うと『天帝』のことやったんやなって」

王にして神…ねぇ。
それだけを聞くと、大層なご身分のようだ。

「そしてその『天帝』は、この世の摂理に反しない限り、一人のみとされています。次代『天帝』が目醒めれば、先代の『天帝』は死す。このように『天帝』が二人同時に存在することは決してないのです」
「…その言葉通りなら、次代の『天帝』が現れて先代の『天帝』が死すまで時間差があることになりますね」
「その通りです。次代は生まれ落ちてすぐ『天帝』になるわけではなく、永き時を得て「覚醒」を迎えて『天帝』へと成り得る。ちょうど、(つぼみ)が花開くように」

フィルと美玲さんの言葉が正しいのならつまり、天帝は親無し子ということになるだろう。
天涯孤独の王にして神ときたか。これはこれは、ボクたちはとんでもないものを探そうとしていたようだ。

「そしてその『天帝』へ成り上がるための最低条件の一つとして、「千を超える年月を生きる者」があります。先代の『天帝』は白金(しらがね)の如き髪を持つと伝えられていましたので、もしやと思いましたが、まだ百をも超えていないとなると…」
「実は幾度か『天帝妖狐』と呼ばれたことが…やはり髪色が先代と似ているからなのでしょうか?」

頭領共がボクをそう呼んだことはかなり印象深い。
「『天帝』に最も近き者」なんてことを言っていたか。
寧ろ年齢的には一番遠いぞ。この中なら美雪がダントツで近いだろう。
いや…?

「失礼ながら、年齢のみで見れば貴女が一番『天帝』に近いかと」
「……ええ、そうですわね。私は2000になりましたもの」
「2000!?普通に1000超えてますやん!?じゃあ何で覚醒もせず…!?」
「『天帝』への覚醒は、可能性こそあれども生きていなければ起こり得ません」

…生きていなければ…?

「不思議に思うのも無理はありませんね。
私は既に死した身。もう千年以上前に一度この世を離れた一介の死者に過ぎません」

続編のお知らせ→←第百三十四夜 先代の『天帝』


御神籤の王子様 ver.四天宝寺

小吉っすわ。メンド…


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設定タグ:テニプリ , 立海 , 人外主   
作品ジャンル:アニメ
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ノア(プロフ) - パンドラさん» ありがとう( *`ω´)ベッタベタな内容だけどやっと恋愛方向にも走れました(笑)ちまちま更新していくのでこれからもよろしくです! (2016年1月23日 19時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
パンドラ(プロフ) - 回を重ねる度にどんどん面白くなっていきますね!流石です! (2016年1月23日 17時) (レス) id: 4b52225c75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノア | 作成日時:2016年1月19日 17時

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