第百三十三夜 まだまだひよっこ ページ44
黒影が汚した床はフィルの妖力『操水』て綺麗に洗い流し、イヴの妖力『転移』で神風を含む三人は帰って行った。ちなみに妖力の内容は互いに読んで字の如くである。
そして翌朝。
「白銀様、神風様、遠いところわざわざありがとうございます。残りのお二方もどうぞお掛けになってください」
幸村に急用で遅れると連絡を入れ、再び越前家の前に集合した四人。集合場所に指定した氷帝学園の前で美雪と合流して黒川邸へお邪魔する。
中で待っていたのは、美雪と同じ三角の猫の耳に長いしっぽ、艶やかな長い黒髪に切れ長の瞳をした女性だった。
促されるままソファに腰掛けると、美雪が人数分のティーカップを運んでくる。
「では改めまして。ようこそ、妖族の皆様方。
私は黒川美玲。以後お見知り置きを」
右は紫、左は黄色と左右で違う瞳。俗に言うオッドアイを持つ彼女は優しげな笑みを浮かべた。
初見美雪とあまり似ていないように思えたが、やはり血の繋がった親子ということか。笑顔がそっくりだ。
「お招きいただき光栄です。ボ…私は妖狐の白銀Aと申します」
「貴方のお話は予々耳にしていますよ。そう気を張らずに楽になさってくださいな」
「そないなこと言われてもなぁ…オレは烏天狗の神風憐です」
「イヴふぁねー!イヴはおー!ふぇんふぃ!」
「…食べながら話すのお行儀悪いよ。姉がすみません…おれは人魚のフィルネシア=アルシオン。こっちは天使のイヴィクス=アルシオンです」
もごもごとクッキーを口に放り込み、いい香りのする温かな紅茶を一気に飲み干して「あちっ!あちっ!」と騒ぐイヴをなだめるフィルは見ていて目の保護だな。癒される。
そんな癒し二人に目を向けていた視線を元に戻すと、美玲さんがこちらをじっと見ていることに気がついた。
「…あ、あの、何か…?」
「あぁ、失礼。少しお聞きしてもよろしいですか?神風様とアルシオンご姉弟も是非」
「構いませんが…」
「失礼ながら年齢をお聞きしても?」
…年齢?
なんでそんなことを聞くのかわからないが、とりあえず答えた方がいいだろう。
「オレは今年でちょうど700になります。オレ、ハーフなんですけど結構長生きしてるって言われますね」
「イヴは多分100歳くらい〜!」
「…おれとイヴは127歳です。まだ割と若い方ですね」
「ボクはまだ14ですよ。まだまだひよっこです」
みんな長寿だな…
ボクだけまだ2桁じゃないか。
御神籤の王子様 ver.四天宝寺
小吉っすわ。メンド…
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ノア(プロフ) - パンドラさん» ありがとう( *`ω´)ベッタベタな内容だけどやっと恋愛方向にも走れました(笑)ちまちま更新していくのでこれからもよろしくです! (2016年1月23日 19時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
パンドラ(プロフ) - 回を重ねる度にどんどん面白くなっていきますね!流石です! (2016年1月23日 17時) (レス) id: 4b52225c75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2016年1月19日 17時