第百三十二夜 外界の使者 ページ43
「…気を取り直して。『外界の使者』だったか?そもそも外界とはなんだ?」
フリーダムな空気を吹き飛ばし、一階から引っ張り出してきた卓袱台を人外四人で囲む。
万一のことも考え、人間であるリョーマには退室してもらった。
机に肘をつき、両手の指を絡めて正面に座るフィルの澄んだ緑色の瞳を覗く。
「ごく簡単に言えば、ニホンから見たガイコクだよ。解釈は違うけど、似たようなものだね」
「ざっくり言うと〜セカイの裏側っていうか〜…うーん、イヴたちと同じ人が住む別のセカイ?」
「……すまん、余計こんがらがってきたわ」
同感。
とにかく妖族のみが住む別世界があるとして話を進めよう。
「まぁその話は一度置いておこう。さっきの話を聞くにボクに用があったと取っていいのか?」
「せやな。オレんところにも『白銀Aうーるみ?』って来たしな。アレ多分『白銀Aはいる?』って意味やろ?」
「うん、正解。まぁ『外界の使者』として言わせてもらうと、シラガネさんに用があるんじゃなくてテンテイに用があったんだ」
「…テンテイ?」
「『天帝』とちゃいます?ホラ、前にあのちゃらんぽらん共が言うてましたやん」
また出た。『天帝』の呼び名。
生憎だが、ボクはこれの意味は知らない。確かに頭領共がボクを『天帝妖狐』などと呼んではいたが、まるで身に覚えがないな。
「すまないが、ボクはその『天帝』ではないぞ。そもそも『天帝』を何かすら知らないんだ」
「あー、オレもや。なんなん、『天帝』って?」
「それがおれたちもよくわかってないんだよ。そのテンテイに聞けばわかったかもしれないんだけど…」
天帝…聞き覚えがないはずだが、何か引っかかる。
ぐるぐると思考内を乱され、天井を仰いだ。
「…たかだか四人の妖族で解決できないならさ」
ちらりと視界の端に映った白いそれを手に取り、ひらひらと振った。
昔から「三人寄れば文殊の知恵」って言うだろう?
御神籤の王子様 ver.四天宝寺
小吉っすわ。メンド…
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ノア(プロフ) - パンドラさん» ありがとう( *`ω´)ベッタベタな内容だけどやっと恋愛方向にも走れました(笑)ちまちま更新していくのでこれからもよろしくです! (2016年1月23日 19時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
パンドラ(プロフ) - 回を重ねる度にどんどん面白くなっていきますね!流石です! (2016年1月23日 17時) (レス) id: 4b52225c75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2016年1月19日 17時