第百三十一夜 男の娘 ページ42
「……誰?」
「えっとねー!イヴはね、イヴだよ!」
「わんやフィルネシアやっさー」
…本当だ、話が通じない。
見たところ天使の方が性格的に、もう一人が言語的だろうな。
この二人が同族なのはなんとなくわかる。一人は天使なのは一目瞭然だが、もう一人は一体なんなんだ?しかも沖縄弁?だし…
「ところで、やーが白銀Aでばっぺーねーらんか?」
先日偶然方言についての本を読んだから言っていることはなんとかわかる。
「ところで、お前が白銀Aで間違いないか?」って聞いているんだろうが…ボク以外には全く通じていないだろうな。
ここは沖縄弁で返すべき?
「……やさが(そうだが)」
「急んかい来てすまねーらん(急に来てすまない)」
「だぁや構わねーらんが、できれば標準語で話してとらせねーらんかみ?やまとぅぬ人んかいや、やーぬくとぅばや難しじゅーさんやっさー
(それは構わないが、できれば標準語で話してくれないか?本土の人には、お前の言葉は難しすぎるんだ)」
…なんか疲れる。
とはいえ理解してくれたのか、訛りの混じる標準語で話してくれた。
「…それで話しが通じなかったんだ。おれはこのニホンゴしか知らないから」
「フィルってばー、いっつもよくわかんない言葉で話すからお話しできないんだよー!」
ぷうっと頬を膨らませる天使の少女。もう一人の一人称は「おれ」なのか。世に言う俺っ娘ってやつか?
ボクも人のこと言えないけどさ。
「では改めて、おれはフィルネシア=アルシオン。フィルでいいよ、よろしくね。ニホンで言うところの妖族の、人魚にあたる。こっちは双子のイヴィクス=アルシオン。長いからイヴでいいからね」
「イヴだよー!よろしくっ!イヴはねー、天使なんだよ!」
イヴは天真爛漫という言葉が服を着ているみたいな存在だな。対してフィルは冷静沈着。
性格は間反対だが容姿は瓜二つだ。羽と天使の輪がなければわからなくなりそうだ。
「余談だけど、おれとイヴはイヴの方が上で、おれは
「へぇ、そっちの無邪気な方が上なんだ………ん?弟?」
リョーマがこう言いながらギョッとして聞き返す。
弟…ってことは、こいつ男か!?
「うん。おれ男だよ」
「…ウソやろ?男装系女子とちゃうん?」
「疑ってるでしょ。なんなら脱いであげるけど。確かめる?」
「…いやいや、それは普通にダメでしょ」
…俺っ娘ではなく男の娘でした。
御神籤の王子様 ver.四天宝寺
小吉っすわ。メンド…
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ノア(プロフ) - パンドラさん» ありがとう( *`ω´)ベッタベタな内容だけどやっと恋愛方向にも走れました(笑)ちまちま更新していくのでこれからもよろしくです! (2016年1月23日 19時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
パンドラ(プロフ) - 回を重ねる度にどんどん面白くなっていきますね!流石です! (2016年1月23日 17時) (レス) id: 4b52225c75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2016年1月19日 17時