第百三十夜 双子の客人 ページ41
「…神風か。久しく会っていなかったな」
「そっスね。でもまぁ時間がないんで本題行かせてもらいますわ。黒影」
『ご用意できてます、主様』
神風の眷属である黒影がぽんっと人型になって、ポケットから白いチョークを出した。
神風たちに会っていないリョーマは突然現れた人外二人に目を丸くしてきたが、黒影が床に魔方陣らしきものを描き始めて慌て始める。
「ちょっ、ちょっと!なにしてんの!?」
「あー、えっと。ちょっと汚すかもしれへんけど堪忍な。ちゃんと掃除してくから」
「…掃除するならいいけど」
黒影が準備をしている側で、神風は懐から白い封筒を取り出した。
ボクが貰ったものと同じだ。似たような筆跡で「神風憐様」と書かれている。
「大会中に黒川さんの母君の眷属を名乗る猫が届けに来たんスわ。こういった手紙なら白銀さんにも届けられてるって思てきてみたっちゅー話です」
「御察しの通りボクにも届いているぞ。明日の朝にでも行こうと思っていたが、お前も一緒なら時間を合わせた方がいいだろうな。どうする?」
「オレはいつでも構わんけど…あと二人連れてってもええと思います?」
…二人?白石たちだろうか。
ちなみにリョーマはカルピンと共に黒影をからかって遊んでいた。
「白石たちか?」
「いや、なんか『外界の使者』とかなんとかいう二人組の客人なんスけど。同族やとは思いますけど一人は言語的な意味で、もう一人は性格的な意味で話しが通じんのですわ」
「客人?どこにいるんだ?」
「今はオヤジの家っス。今喚ぶんで…黒影!」
「準備バッチリだよ、主様!」ときりりとした黒影が、頬や鼻の頭にチョークをつけながら胸を張った。
…床には立派な六芒星の魔方陣。
「…ぐりぐり丸描くだけでええんやで」
「知ってるけど雰囲気大事かなって思って。あ、来たみたいです!」
なんて話していると、魔方陣の上に金色の光が集まって大きくなりだした。なんだこのファンタジー的な展開は。
光が大きくなって弾けると、魔方陣の上には背の低い金髪の少女が二人立っていた。
うち一人は背中に純白の翼を畳み、頭の上に水色の輪を浮かばせている。
「イッエーイ!とーちゃくっ!」
「やしゃぎ過ぎだしよイヴ。んなぁんかい失礼んかいなるやっさーろ」
御神籤の王子様 ver.四天宝寺
小吉っすわ。メンド…
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ノア(プロフ) - パンドラさん» ありがとう( *`ω´)ベッタベタな内容だけどやっと恋愛方向にも走れました(笑)ちまちま更新していくのでこれからもよろしくです! (2016年1月23日 19時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
パンドラ(プロフ) - 回を重ねる度にどんどん面白くなっていきますね!流石です! (2016年1月23日 17時) (レス) id: 4b52225c75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2016年1月19日 17時