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第百二十夜 探し人 ページ31

リョーマと別れて歩くこと数分。
やはり立海のジャージは目立つと思い、また白夜に化けて、神奈川に戻るために会場内を進んでいた。

「芥川さーん!どこにいらっしゃるのですかー!?いるならお返事くださいましー!」

…ん?聞き覚えのある声だ。
ふと足を止めると、近くの茂みから声の主がガサリと音を立てながらひょっこりと顔を出した。

「白夜様!」
「あれ、黒川さん?」

氷帝のジャージを身に纏った美雪。普段はその呼び方じゃなくなったけど、こっちの姿じゃ健在みたい。

「どうしたの?探し人?」
「そうですわ!芥川さんをご覧になりませんでしたか?えっと…茶色の髪の、よく眠る方です」

芥川…か。僕が知る限りでは知らない奴だが。
知らない奴を探すのは砂漠に落ちたコンタクトレンズを探すようなものかもしれない。

「あのさ、その芥川について確実に呼び寄せられるものとかある?あるなら使ってみるけど」
「ええ。芥川さんは立海の丸井さんを心より尊敬しているようです」
「丸井か。よし、任せて」

任せろと意を込めて軽くウインクして、丸井へ化ける。本当にこれで成功するのか些か不安だが、まぁやってみよう。

「おーい、ジロくーん」

軽く呼んでみた瞬間、ガバッと近くの茂みから人影が起き上がった。キョロキョロと辺りを見回し、ボクを目に止めたと途端、凄まじい勢いで走ってくる。

「丸井君!?」
「よ。目、覚めたか?」
「ほんとのほんとに丸井君!?これ夢じゃない!?」
「…お前は俺のこと夢にするのかよぃ」
「俺起きてる!マジマジ!?うれC〜!」

…すごいハイテンションだな。
芥川?を見つけたのか、黒川さんが安堵の息を漏らした。

「芥川さん、探しましたよ」
「……あれ?黒川さん?なんでいんの?」
「貴方を探しに来たに決まっています。早く戻らないと跡部さんに叱られますわよ」
「うっわ〜、それはマズE〜」

独特な喋り方をする奴だな。
今の美雪の発言の通りなら、近くに氷帝が試合しているコートがあるらしい。
そういえばよくわからないコールが聞こえる気がする。

「さ、行きますわよ」
「え〜?うー…でも折角丸井君がいるのに勿体無いC〜。せめて一試合!お願いっ!」
「ダーメーでーす!」

なんだか駄々をこねる子供とそれを叱る母親に見えてきた。
完全に蚊帳の外だったボクに、芥川が唐突に話を振ってきて驚いた。

「あ!じゃあ丸井君も一緒に来ればE〜じゃん!俺あったまE〜!」
「……え」

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御神籤の王子様 ver.四天宝寺

小吉っすわ。メンド…


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設定タグ:テニプリ , 立海 , 人外主   
作品ジャンル:アニメ
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ノア(プロフ) - パンドラさん» ありがとう( *`ω´)ベッタベタな内容だけどやっと恋愛方向にも走れました(笑)ちまちま更新していくのでこれからもよろしくです! (2016年1月23日 19時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
パンドラ(プロフ) - 回を重ねる度にどんどん面白くなっていきますね!流石です! (2016年1月23日 17時) (レス) id: 4b52225c75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノア | 作成日時:2016年1月19日 17時

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