第九十三夜 正式な仲間入り ページ3
「迎えも来たから失礼する」
「ねーちゃん帰ってまうん?」
しゅん、とする遠山の頭をぽすぽすと軽く撫で「暇があったらまた来るよ」と言ったら心底喜ばれた。
なんか懐かれたな。嬉しいけど。
遠山の笑顔に和みつつ、くるりと振り返って神風に向き直った。
「ん」
「うわっと…ん?なんやコレ?」
ポケットから銀のチェーンブレスレットを出して、神風の方へ軽く投げる。咄嗟の事だったが難なくキャッチした。さすがテニス部、反射神経もバッチリだな。
「それ、ボクの“
「おおきに。今まではオヤジが幻惑系統の妖力なんで、それで隠してたんスけど。あくまで見えなくなるだけだったから、完全に消せるのはありがたいっすわ」
「ぜひ活用してくれ。それじゃ」
“変化”を使って大きな鳥に化け、両足で美雪の両手首を掴んで飛ぶ。跡部のヘリコプターに着いて元の姿に戻り見下ろすと、四天宝寺の面々がこちらに手を振っていた。遠山に至っては「ねーちゃん!また来てなー!!」と飛び跳ねながらブンブンと手を振っている。盛大なアピールだ。
「ったく、心配かけさせんじゃねぇ」
「すみません跡部さん」
振り返れば一見不機嫌そうに見える跡部。だがどことなく嬉しそうだ。
「…不服だけど今回ばっかりは跡部さんに同感」
仲睦まじく話す跡部と美雪の後ろには、この上なく眠そうなリョーマ。まぁもう大分暗いしな。
「そりゃ悪かったな。ただいま」
「…ん。おかえり」
ぐりぐりと力任せにリョーマの頭を撫でていると、「子供扱いしないでよ」と不機嫌そうに言われた。とはいえ手を払われていないところ今回は多めに見てくれるっぽい。
「……お疲れ」
軽くリョーマと触れ合っていると、近くに座っていた幸村が軽く微笑んでくれた。
服装が部活スタイルなのを見る限り、部活が終わってすぐ来てくれたのだろうか?
「いろいろ大変だったみたいだね」
「途中バトル漫画みたいになってな…」
「いったい何が…」とわざとらしく肩をすくめる幸村。いや、あの件はボクもびっくりだ。
とはいえ、部長がわざわざ迎えに来てくれたのは素直に嬉しいことだ。
ボクもようやく正式に立海の一員になれたかな?
御神籤の王子様 ver.四天宝寺
小吉っすわ。メンド…
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ノア(プロフ) - パンドラさん» ありがとう( *`ω´)ベッタベタな内容だけどやっと恋愛方向にも走れました(笑)ちまちま更新していくのでこれからもよろしくです! (2016年1月23日 19時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
パンドラ(プロフ) - 回を重ねる度にどんどん面白くなっていきますね!流石です! (2016年1月23日 17時) (レス) id: 4b52225c75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2016年1月19日 17時