祝!百夜記念特別篇 とある詐欺師の憂鬱 ページ11
side 仁王
「雅治、またサボってるのか?早く戻れ」
俺の名は仁王雅治。
立海大テニス部のレギュラーにして、またの名をコート上の
幸村に「悪魔をも騙せる男」とまで言わしめるほど、最強軍団の中で最も恐れられる存在だと言われる。
これはその詐欺師の小さな小さな憂鬱じゃ。
くだらん事じゃろうが聞いてくれんかのぅ?
「…無理じゃ。木が離してくれんきに、動けんぜよ」
「くだらない事言ってないでさっさと動け」
「ピヨッ」
先月、俺のイトコである白銀Aがこの立海大テニス部へ入部した。それ自体は憂鬱じゃない。寧ろ嬉しいしありがたい。
Aはしっかりしとるように見えて抜けとるからのぅ。それで学校生活初日に正体バラしたんじゃ。
「少しくらいサボらせてもよかろ?」
「よくないから呼びに来たんだろうが。グラウンドまでダッシュしてけ」
部室裏の木に寄りかかってウトウトしていたところをAに叩き起こされて今現在に至る。
Aのせいでろくにサボれん。この上なく小さくて、くだらなくて、ちっぽけな憂鬱じゃが俺にとっては大問題ぜよ。
「…眠い」
「ほら走って!それとも俺に五感を奪われたいかい?」
「イッテキマス」
のそのそと立ち上がると、幸村へ化けてどこか黒さを覗かせる笑顔を向けてきた。
相手になりすます事に関してはAの右に出るものはおらん。
最近じゃ二軍たちに「立海第二の
「ボクより遅かったら柳が幼馴染に直伝されたっていう『特製柳汁』が待ってるぞ。栄養の保証はする。味と生死に関してはノーコメントだ」
「物騒な単語が聞こえた気がするんじゃが…まぁええ。それは負けられんのぅ」
「んじゃちゃっちゃと走って!ちなみに勝ったら焼肉奢りっスよ!ジャッカル先輩の!」
「よし行くぜよ!!」
Aは赤也に化けて、覚えたての片足のスプリットステップを応用した動きで全力で走り出した。
こいつ確か50mは7秒前半に食い込むくらいの速さだったはずじゃ。それに赤也の身体能力と片足スプリットステップが加わって異常な速さになっとる。
負けじと俺も全力で走った。
焼肉には行きたいし、柳汁だったかは飲みたくないナリ。命の危機を感じる。
ちなみに勝敗は二人同時にゴールへ転がり込み、二人とも柳汁を飲まされた。
飲んでからしばらくの記憶がない。
あと焼肉の件は嘘だった事が発覚した。
乗せられたぜよ…
〜仁王雅治の憂晴〜
御神籤の王子様 ver.四天宝寺
小吉っすわ。メンド…
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ノア(プロフ) - パンドラさん» ありがとう( *`ω´)ベッタベタな内容だけどやっと恋愛方向にも走れました(笑)ちまちま更新していくのでこれからもよろしくです! (2016年1月23日 19時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
パンドラ(プロフ) - 回を重ねる度にどんどん面白くなっていきますね!流石です! (2016年1月23日 17時) (レス) id: 4b52225c75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2016年1月19日 17時