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緑
みんなが帰った後の静寂が、孤独に感じる。
苦しい。
頭が痛いとか気持ち悪いとか、そういうわけではなくて。
自分の中のよくわからない不安や葛藤が心にモヤをかける。
病院の中でやることはたいしてなくて、ていうかそもそもまだ安静だと言われているから、動こうにも動けなくて。
明日からは安静から解放されるみたいなこといっとったけど、結局やることはなさそうやしなぁ。
Ns「神山さん、足浴しましょう」
実は、倒れてから一度もまだ風呂に入ったことないんよね。
いろんな点滴とか心電図繋げられてて、元気な気がするだけで、体はそうでもないのかなと心配になる。
今までは男の看護師さんが清拭してくれてたけど、足浴は初めて。
ちょっとわくわくしてた。
風呂好きだったから、早よ入りたいなぁって。
足浴は、血流を良くするとか、そんな効果があるらしい。
Ns「じゃあ、またお昼ごろにきますね」
テキパキと足浴を済ませて、看護師さんは忙しそうに去っていった。
本当はもうちょっといて欲しかった。
寂しいから、じゃなくて、怖いから。
あの時の痛みは今でも覚えてるし、本当に死にそうなほどだった。
そうならんために、こうやって点滴でやりたい放題されてるんやろうけど、ちょっと怖い。
なんか入院してから、心も弱くなった気がする。
苦しいし、怖い。
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作者名:みんときん | 作成日時:2023年11月30日 14時