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緑
Dr「では、説明させていただきます」
昨日までは何も知らずに病人になっていたのに、いざ説明を始められるとなんだか実感が湧く。
わざわざ実家から来てくれたおかんには感謝しかない。
Dr「悪性脳腫瘍です」
多分、それ以外にもいろんなことを言ってたはずやねん。
でも、その一言が頭の中をぐるぐると回る。
Dr「症状を抑えながら、取れる分だけ手術で摘出した後に化学治療をしていきます」
症状を抑えながらって、いつになったら治るん?
治ったとして、ダンスはできるんか?歌は歌えるんか?アクロバットは?
自分の中で整理がつかなくなって、質問が喉まできたところでハッとした。
質問攻めしたって意味はない。おかんがいない時に聞こう。
緑「ありがとうございました」
看護師に連れられ、とぼとぼと病室に戻る。
ていっても、車椅子やからとぼとぼでもないか、
緑「おかん、俺大丈夫やからさ。心配せんといて?もう、帰っていいから」
おかん、泣かせたくなかった。
緑「というか、帰って?今は、1人にさせて、、」
誰かと一緒にいる気分じゃない。
一旦自分の中で整理したかった。
メンバーにはいつ、何て伝えるのが正解なんやろう。
伝えたらなんて言われるやろう。
そんなことばかり、頭の中を占めてしまう。
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作者名:みんときん | 作成日時:2023年11月30日 14時