NOTHING TITLE (ページ16)

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自分がしてやれることってなんやろうってすごく思う。

身近な人が入院したことも、それどころか大きな病気にかかった人もいなかった。

だから内心、恐怖心っていうか。

もんちの前では絶対こんな顔はしないけど、いつかいなくなるんちゃうかって思ってしまう。

グループとして仕事復帰を果たすよりも、まずは万全な状態で帰ってきて欲しい。

けどきっと、もんちは、『グループに戻る』そんな使命感に駆られて、必死なんやと思う。

迷惑はかけてなんぼ、だとみんなが思っているのに、もんちだけは全部を自分で背負おうとする。

ただでさえ、大きな変化やったんやから、自分だけでやろうとしたらいつか崩れてしまうに決まってる。

あ、でんわ、

「淳太くん、どうしたん」

普段電話なんてこないから、どきっとしてしまう。

『んーん、照史のことやから。優しいが故に、悩んでるんやないかなーって。大丈夫？』

「うん。平気。明日は俺病院行ってくるから」

きっと淳太くんも、不安なんよ。わざわざ電話なんて、らしくない。

もんちの心をほぐしてあげるのも大事やし、でもメンバーもきっと、突然のことでまだ整理がついてない。

長い戦いになるってわかってたけど、ちょっと現実が見えた気がする。