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緑
本当は、ちょっと痛いだけ、とかじゃない。
既に薬が入ってて、でも痛い。
若干気持ち悪いし、昨日までの元気はどこへ行ったんやろう。
こうやっていい日と悪い日があるのも、気分が落ち着かないのも、病気のせい。
お医者さんはそう言ってた。
担当医の先生めちゃくちゃ優しくて、絶対暇じゃないのに話を聞いてくれる。
そういう仕事は専ら看護師の仕事やと思ってたから、ちょっと驚いた。
Dr「神山さん、痛みはどう？」
緑「あ、先生。最初よりは、ちょっとマシです」
Dr「お見舞い来てたみたいだけど、どうだった？」
俺より年上っぽい先生。
おじいちゃんまでいかないけど、俺よりも年上そう、
緑「なんか、もっと楽しいと思ってたけど、意外と気が落ち着かなかった、っていうか」
来てくれるのはすごい嬉しいねんけど、落ち着かなくて、淳太が帰った後どっと疲れが襲ってきた。
Dr「うんうん、あんまり無理しないようにね。あ、呼び出し入っちゃったから、またなんかあったらナースコール押してね」
やっぱり先生って忙しいんだ。俺の話し相手なんかしてる暇ないんだ。
先生はパタパタと病室を出ていった。
1人は怖いとか言ってたくせに、見舞いが来ると1人になりたくなる。見舞い客が帰った後に1人になるとなんか落ち着く。
こんな矛盾、わがまますぎて自分でも嫌になる。
病気のせいなのか知らないけど、わがままで、人に頼れなくて、迷惑ばっかり。
そんな自分が嫌いになった。
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作者名：みんときん | 作成日時：2023年11月30日 14時
