番外編 其ノ二 ページ48
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宿に着いたのは日が沈んだ頃、
『 こ、こ、混浴!? 』
「 ああ 」
何食わぬ顔でサラリと言う宇髄様.
泊まる宿は、露天風呂及び混浴温泉だったのだ.
混浴温泉しかないため、逃げることもできない____
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「 やっぱり露天風呂はド派手で最高だなァ 」
『 そ、そ、そう、です、ね 』
「 つか、なんでそんな離れてんだよ 」
無理、近付くなんて無理.
雛鶴さんたち、これが普通なんですかッ!?
「 A 」
いつの間にか近づいていた宇髄様に、
腰に手を回され、グッと引き寄せられる.
『 ヒッ… 』
からだに巻いたタオル越しに伝わってくる、体温と触感.
それらに反応し、思わず変な声が出てしまった.
「 へぇ、そんな声出すのな 」
面白がるように、喉の奥で笑う宇髄様.
「 なぁ、A.
そろそろ名前で呼んでくれねぇと、本気で限界なんだけど? 」
後ろから軽く抱擁され、耳元でそのように言われる.
全身に、ぞくりとした変な感覚が電撃のように駆け巡った.
なにこれッ__
『 あのッ、うずッい様ッ 』
「 ちげぇだろ.
早くしねぇと、この場でお前のことめちゃくちゃにするからな?」
そんな身勝手な!
『 少しまッ…ヒッッ 』
早くしろ、と言わんばかりに太腿を指先でなぞってくる.
このままだと、ほんとうにどうにかなってしまいそうだし
どうにかされてしまいそうだ.
『 て、天…元…様… 』
「 聞こえねえなぁ 」
耳元でまたもや囁かれる.
いちいち自分の顔が暑くなる.
暑すぎて、今にもとろけてしまいそう__
『 て、天元様ッ!! 』
「 へぇ、呼べるじゃねぇか 」
宇髄様……、いや……天元様の腕が解かれた隙を狙って一目散に脱衣場に向かった.
いつまでたっても、全身の暑さは引いてくれなかった.
一方、名前を呼べと言った当の本人は、僅かに顔を赤らめながらも
満足したかのように口角を上げていたのだった.
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天天(プロフ) - こちら完結してますが、コメント失礼します。キャラの特徴などをしっかり捉えられており、違和感なく読めました!欲を言うと、夢主ちゃんと宇随さんのイチャイチャをもっと見たかったですが…(宇随さん推しなので)他の作品も読ませていただきますね(^^) (2020年8月11日 20時) (レス) id: eb2c748ea0 (このIDを非表示/違反報告)
乱中 久(プロフ) - こんばんは。いつも作品の更新を楽しみにしておりました。この度は完結おめでとうございます。まっちゃろん様の書く宇随さんの適度なSッ気が好きでした。次回作も楽しみにしております! (2019年10月22日 0時) (レス) id: d74e0e0202 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴいち - 完結おめでとうございます!!新作楽しみにしてますね^ ^ (2019年10月21日 7時) (レス) id: 86b9e23d57 (このIDを非表示/違反報告)
_Mikado_(プロフ) - お疲れ様でした!とても楽しかったです! (2019年10月21日 1時) (レス) id: f327cce89d (このIDを非表示/違反報告)
イチゴいち - お兄ちゃあああん!!!!あああああああああああああ((強制終了 久しぶりに鬼舞辻が最低に思えてきた、、頑張ってください、応援してます!! (2019年10月15日 19時) (レス) id: 67aafb287e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2019年9月12日 21時