からかうのはやめてください。【宇髄天元】

二十八 ページ28

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『 っ…お兄ちゃん 』



「 久しぶりだね、やっと会えて嬉しいよ 」





兄が一歩近づく.





「 でも…、なんでAが俺の血鬼術を見破った？
それに……鬼狩りといるなんて……まさか、鬼殺隊にいたのか？ 」



どうりで見つからないわけだ、と呟いている.





『 ……っ…なんで…お兄ちゃんが… 鬼なんかに… 』





血鬼術を使う時点で鬼という事実は確定してしまった.



けれどやっぱり、受け入れ難い事実.


だって目の前にいるのは、鬼の風貌なんてない兄の姿.









それなのに…鬼だなんて…










「 Aも鬼になろう.
そうすれば…もう離れることはない 」








『 っ……離れることはないって……
離れて行ったのはお兄ちゃんじゃないの…… 』







声が震える.







「 それは、お前だってそうだろう
俺の元から離れようとした 」





『 え…？ 』





私が、お兄ちゃんにそんなことを……？


全く身に覚えにないことに戸惑う.






「 A 」





また一歩近づく.


その瞬間、目の前にしのぶ様が立った.





「 Aさんに近づかないでください. 」



「 鬼狩りさんに用はないんだよね 」





兄はしのぶ様をキツく睨むと、持っていた和傘を閉じた.


そして、素早くその和傘を大きく振り上げた.





まさか、和傘が武器ｯ!?


和傘の羽が鋭い刃の用に見えた.









「 あなた、私をただの鬼狩りなだんて思っていませんよね？ 」



しのぶ様もつかさず刃を抜いた.





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