からかうのはやめてください。【宇髄天元】

四十五 ページ45

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宇髄様の屋敷で過ごすようになってから2ヶ月が経過した.





『 あ、宇髄様、おはようございます 』





洗濯物を干していれば、宇髄様が縁側を通りかかった.





「 ……なぁ 」



『 何でしょうか？ 』



「 いつまで宇髄様(・・・)呼びなんだよ. 」





『 ……へ？ 』





思わず間抜けた声が出てしまった.








「 お前、この屋敷に来てから2ヶ月経つんだからよ、
そろそろ名前で呼んでも良いんじゃねえの.
地味に他人行儀みたいなんだよ. 」






…それって…天元様と、呼ぶこと……？











『 そっ、それは無理です！恐れ多すぎます！ 』



「 何焦ってんだよ 」



『 あ、焦っているわけではｯ

それに、雛鶴さんたちと同じように名前を呼ぶわけには…』



















「 なら、このまま嫁になればいいだろ？ 」










え…？





『 な、な、何言ってるんですかｯ
そうやって、からかうのはやめてください！ 』










「 ……本気だけどな 」










宇髄様の瞳(め)が違う.



からかっている時の目じゃない＿＿














『 お嫁さん既に3人もいるじゃないですか. 』



「 同じ屋敷に住んでればAも嫁と同じだろ. 」










ぐっと腰に手を回され引き寄せられてしまう.





『 ｯ！？ 』



「 今回ばかりは、大真面目だ. 派手にな. 」





じっと、見られ



ふつふつと顔が暑くなる.










距離が近いからなのか、





それとも＿＿＿＿





.









目線を逸らし、顔を真っ赤に染めるAの姿を見て
天元は思っていた.










＿＿これはまだ、時間が必要だと.






そもそも天元があの晩に言った本当の意味を、
A自身は知る由もない.










互いの想いが通じるのは、



もう少し 、あとのこと＿＿＿＿.





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おわり

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