からかうのはやめてください。【宇髄天元】

四十三 ページ43

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その日の夜、


縁側から夜空を見上げていた.





「 なーにやってんだ 」



『 宇髄様ｯ、どうしてここへ？』





音も立てずにいつも現れるから驚いてしまう.





「 病室行ったら見当たらなくてよ.
抜け出していいのか？ 怒られんぞ 」



そう言いながら、隣に座る宇髄様.





『 大丈夫です！
明日から自室に戻れることになったので 』



「 それはよかったじゃねぇか 」





子どもを褒めるみたいに、乱雑に頭を撫でられる.






『 ちょ、やめてくださいｯ 』


「 やめろと言う割には笑ってるけどな？ 」








『 ……なんというか心地いいんですよね.

でも、子どもみたいには扱わないでください！』







ぴたりと、宇髄様は手を止める.


少しばかり驚いた様な顔をしている.





『 ……宇髄様？ 』





「 心地いいって…お前な… 」




はぁ、とため息をつき、



そのまま、背中に手が回り



優しく宇髄様に包まれる.







突然のことに理解が出来ない.







「 お前は…、ずるいやつだな 」





え…ｯ


ずるい、って……？








優しく吹いた夜風が、そっと髪を揺らした＿＿.










.










「 いや、なんでもねぇよ.


ただ、Aは笑った顔が一番だって思うわけよ.
もうド派手にな. 」





『 い、いきなりなんですかｯ 』










鬼殺隊に来てから、初めて笑ったあの日.





＿＿守りたい


そう思っていた.





嫁と同じくらい…、いや同等だ.










もう二度と怪我なんて負わせねぇ＿＿





「 なぁ、A＿＿ 」





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