からかうのはやめてください。【宇髄天元】

三十八 ページ38

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Aが帰って来てから2日が経った.










蝶屋敷に運ばれた時、肩に怪我を負っていた.



あの時は派手に血の気が引いた.














今は蝶屋敷で休んではいるが…










ベッドの隣に置かれた椅子に腰を下ろし、そっと髪を撫でる.










「 あら、宇髄さん.来てたんですね 」





吸い飲みが乗った盆を持つ胡蝶.


その盆を静かに、床頭台に置いた.










「 Aさんの傷はそこまで深くはなかったので大丈夫ですよ.
今も少しずつ癒えて来ていますので. 」



「 そうか 」










とはいえ、目を覚まさないのは気が気じゃねぇ.





早く、目を覚ませ.＿＿










「 そういえば…、前々から気になってはいたのですが
宇髄さんはAさんのこと、よくからかっていますよね.
何か意図でもあるんですか？ 」





「 別になんちゃねぇよ.
ただ、面白いからからかってるだけに決まってんだろ.

ただ、まぁ、言えるのはひとつある. 」










Aが鬼殺隊本部に来たばかりの頃だ.










当時は蝶屋敷で療養していたが、中々外にも出ないし



何より、全然笑わなかった.





精神的ダメージがあったからだとは分かってはいたが
少しでもいいから、笑って欲しいだなんてガラにもなく思っていた.










まぁ、そっからだな.



適当にからかっていたら、笑うようになった.










何となく、それが嬉しかったんだろうな.





そのまま延長線上にあるってわけだ.





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