8 呼んだ事ないのにっ！ ページ9
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数日後、オフィスには聞きたいことが山ほどある例の東大王が顔を出していた。
鶴崎修功、たぶん僕の知ってる子と知り合いなんじゃないかって思ってる。
「河村さん、久しぶり〜！」
「鶴崎は元気だな」
「えっ？いつも元気だよ〜？」
「それより鶴崎に聞きたい事があるんだけど…他の人に聞かれたくないから空き部屋で話せない？」
「ん？いいけど、なんか怖いなぁ…」
先に場所を確保して後から鶴崎が入ってくるのを待つ。
僕にはずっと気になっている事があった。
それをちゃんと確認したかったんだよね。
「じゃあ、鶴崎はここに座って？」
「なんか取り調べが始まる感じがするな〜」
「単刀直入に聞くんだけど、"鶴崎Aさん"ってご存知？」
「えっ、なんで河村さんがAちゃんのこと知ってるの！？」
やっぱりな、と。
鶴崎とあの子は顔見知りだ。
しかも、鶴崎があの子のことを"Aちゃん"と呼ぶくらいだから相当近い関係なんだろう。
鶴崎に妹さんがいるなんて聞いたこともないし、もしかして親戚か何かか？
「分かった。もう用事は済んだよ」
「え〜、Aちゃんと河村さんって何か関係あるの？(
名前)ちゃんは俺の親戚で今、東京にいるって言うのは連絡きてるから知ってるけどさ〜」
親戚だったのか。
じゃあ、鶴崎にこの僕の想いを相談するってのはアリか？
いやいや、鶴崎からしたらいきなり僕が恋の相談をしてきたら変な目で見てくるだろうな。
しかもその恋の相手は親戚のAさんってわけだし…
あっ、いま俺自然に『Aさん』って言ってしまってるじゃんか。
まだ本人に向けてそう呼んだ事ないのにっ！
「河村さん、どうしたんですか？」
俺は鶴崎の両手を強く握り締める
「鶴崎に相談がある！」
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作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2024年3月26日 9時
