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7 元気そうなのは。 ページ8

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部屋に戻ると、急に胸の奥が苦しく感じた。
隣の部屋に通じる壁を触って彼女を思い出す…


僕に対する態度、赤らめる頬。
"また明日"と投げかけてくれる言葉全てに未だかつてない『好き』という感情が僕を包み込んでいく…


「…こんな僕を、好きでいてくれてるのかな…」


今まで人を好きになった事はあるし、彼女だっていたこともある。
でもなんだろうか、こんな暖かい気持ちになるのは。


初めてかもしれない
この壁の向こう側の君は、いま僕のことを考えてくれてるのだろうか…


そんな事を思いながら、僕もまた君を想うんだ。
枕に顔を埋めてこの感情を押し込める。


失恋してから、もう恋なんかするもんか!なんて失恋ソングの歌詞みたいなスローガンを掲げていたけど
君がその壁を壊してくれる存在じゃないかって思えて仕方ない。


君と僕は、出逢うべくして隣同士になったのかもな…



興奮を抑えようとシャワーを浴びることにした。
部屋に戻ってくるとスマホに一件のメッセージが届いていた。
相手は福良だった。
一気に仕事モードに戻してくれるな、こいつは。


【 お疲れ様。気になって仕方ないからストレートに聞いてもいいかな?眠れなくてさ 】


【なに?こっちも気になるからはっきり言っていいよ。】


【 今日仕事終わってから近くのコンビニ寄ろうとしたら、河村と女の子が一緒に出てきて歩いて帰って行ったの見ちゃったんだけど…彼女?】


ハッとした。
まさか、ふくらに見られていたなんて!
…なんて返事したらいいんだろう。
いや、まだ彼女じゃないんだから否定するのが当たり前なんだけど。

まだ、ね。
僕たちの関係はまだ始まったばかりだしね。



言葉を選んで時間をかけて返事をする。
『いいお友達だよ』
それだけ言えば分かってくれると思う。
わざわざ言わなくても察してくれ。
きっと彼なら僕の気持ちも理解してくれるはず。


【 そっか〜、最近河村が元気そうなのはそれが理由なんだね。よかった 】


僕、最近元気そうに見えるのか!?



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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:   
作成日時:2024年3月26日 9時

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