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6 社交辞令じゃないよね? ページ7

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隣に女の子と一緒に歩いて帰るだなんて久しぶりすぎて何を話していいものかと困ってしまう。
自分から誘ったのに…
変に緊張しまくってコーヒーばかり口にしてしまう。


さっき僕の口から出てしまった超絶軽いオトコ発言を思い出しては真っ赤になる。
どうして僕はこの子に対してその気がある行動をとってしまうのか自分でも分からないでいた。


少し距離を置かれてしまうのも気に食わない
もっと色んな会話をしたいのに共通の話題が見つからない。
でも僕のことを"拓哉くん"と呼んでくれる君に胸が締めつけられてしまう…


これって恋…?
まさかね。
ラノベや少女漫画に影響されすぎだって僕。


「…着いたね」


特に何を話すわけでもないけど、鶴崎さんと一緒にいると落ち着く。
もう確定してんのかな…でもこの気持ちは勘違いなのかもしれないし。
そういう心理もあるかもな。


「じゃあ、拓哉くんおやすみなさい」

「おやすみ、また明日」


鍵を開けると鶴崎さんが悲鳴と共に僕の腕にしがみ付いてきた。
え?ど、どうしたの…?


「ひぃ!む、虫が…っ!」


「え?虫?」


鶴崎さんの玄関前には堂々とたむろしている虫たち(2匹)
黒光りしているパリピな奴ではなくて、小さくて間違ってアパートに入ってきてしまったんだろう。
今僕は虫なんかよりこの状況にドギマギしている!


上目遣いで僕に助けを求めてくる君
急に我に返ったのか、顔を真っ赤にさせて僕の腕から離れていく。


「ごっ、ごめんなさいッ!」


「大丈夫だよ。僕の後ろにいな?今この虫たちは原っぱに戻すから」


ホウキとちりとりを上手く使いながら虫たちには違う場所へ移動してもらう。
その間、僕の心臓はバックバクだった。


……気になっちゃうって、こんな態度取られたら。
惚れっぽいだなんて思ったことないけど、これは意識せざるを得ないでしょ!?


「その…えっと、急に声出して飛びついてしまってごめんなさい…で、あの」


君は急いで謝りながら部屋に入る。
顔を少し出して最後に僕に言う


「ありがとうございましたっ!また明日、おやすみなさいっ」


勢いよく扉を閉める。
なにこれ、謝ってからお礼を言って更に"また明日、おやすみなさい"!?


ちょっと前までは隣に住んでるなんて知らなくて
仕事帰りに立ち寄るコンビニに鶴崎さんがいるから何となく毎日通ってて


急に飛びついてきて女の子の顔して僕を頼ってきて
社交辞令じゃない、『また明日』と『おやすみなさい』


これってもう…鶴崎さんって、僕のこと好きなんじゃないかな?


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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:   
作成日時:2024年3月26日 9時

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