4 世話焼き大家さん。 ページ5
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大家さんから隣に僕と同年代の女の子が住んでるよ、と知らされたのは彼女が入居して２週間くらいだったと思う。
ここの大家さんは僕が大学に入学した時からお世話になっているので結構付き合いが長い。
もはや高校の同級生よりよく話をしていると思う。
…そろそろ引っ越しの挨拶でもあるかな？
とは思っていたが隣の子も忙しいんだろ。
僕と同年代という事は社会人だろうし。
QuizKnockでの業務を定時で終わらせて近くのコンビニに寄る。
「おっ！拓哉くんじゃないか！」
「大家さん？な、なんでコンビニの制服着てるんですか？コスプレですか？」
「やだなぁ、前にも言わなかったっけ？コンビニのオーナーもやってんのさ！」
「大家さんは何でもやりますね…」
「好きだからね！あ、そうだ。うちのコンビニでバイトしてる女の子ね、拓哉くんの隣の部屋に引っ越してきた子なんだよ〜。今日は塾のバイトがあるからシフト外してるけど今度紹介するね！」
「いや、別に…」
「近所付き合い大事！それに２人お似合いだと思うんだよなぁ〜、仲人役になりたいっ！」
何でもかんでも世話焼きをしたがる大家さん。
この人の悪い癖だ。
「すぐ恋愛に結びつけるのやめてくださいよ。それに僕は恋とか興味ないんで」
「拓哉くんも大学卒業したら結婚とか意識しだすと思うけどな〜」
「知り合いから聞いた話だと、結婚は人生の墓場だと…」
「若いうちは恋をしなさいなっ！」
大家さんのこのテンションは今に始まった事じゃない。
僕に初めての彼女が出来た時も何故か３人で食事をしたりしたし。
水族館デートを勧めてきたのも大家さんだった。
僕の持っている雑学をデート中に披露したら「きゃっ、河村くん知的ね！…好き！」ってなるからと言われてそのまま実行したバカな僕。
そして盛大に振られたのだ。
「…好きにやってくださいよ。止めてもきっと紹介するんでしょ？大家さんは」
「もちのろんだよ」
僕の肩を軽く叩いてニヤニヤする大家さん…
頼むから穏便に過ごさせてくれ。
そしてあの日、僕は初めて隣に住んでいる子と顔を合わせた。
コンビニで働いている同年代の子。
鶴崎Aさんという名前らしい…
…鶴崎？
僕の知り合いにも同じ苗字の方がいるぞ？
偶然だろうか？
なんだか気になってしまう
そんな僕の隣人さん。
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作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2024年3月26日 9時
