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2 珍しい苗字ですね。 ページ3

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オーナー兼アパートの大家さんに私の部屋の隣に住んでいるのがオトコであると伝えられた。
それはもうすぐにでも出て行きたいほど嫌。
でもどこにも行くあてなどないから我慢するしかないのだが。


「Aちゃんくらいの歳の子だったと思ったよ〜。ちゃんと挨拶しときなさいね?」


「…あ、はい…」


隣の住人はいないだろうと思うくらい静かだし、そこまで害のないオトコなのかもしれない。
歳が近いなんて嫌でしかないけど。

間違って会ったりでもしたら、その時は挨拶くらいはしておこう。
私も一応社会人ですから。


今日は夜からのコンビニバイト。
魔のゴールデンタイムを何とか切り抜けて少し息をつく。

お客様が誰もいない店内。
この時間帯に商品の点検や補充をしていると一人の男性が入店してきた。


「いらっしゃいませー」


私にコクリと会釈してドリンクコーナーに向かう男性。
そこにオーナーが男性に近づいていき何か話している。
…知り合い、なのかな?


なるべく気にしないように業務をこなそうとするとオーナーと男性が私のもとにやってきた。
近づくんじゃないよ。


「Aちゃん、ほれ挨拶しな?この子がさっき言った隣の部屋に住んでる拓哉くんだよ」


「初めまして」


拓哉くん、と紹介された男性…
帽子を被りマスク着用。キリッとした目つきで眼鏡はしていない。
私、眼鏡かけてる人の方が真面目な印象を受けるからこの人は怖いというしかなかった。


「あ、挨拶が遅くなりました。鶴崎Aです。春から隣の部屋に引っ越してきました」


この人と関わりたくないので社交辞令な「これから、よろしくお願いします」は意図的に言わない。
ホントに宜しくされたらたまったもんじゃないからだ。


「鶴崎、さん…?へぇ、珍しい苗字ですね。僕の友人にも同じ苗字の人がいるんですよ」


私はこの人に何の興味もなかったので話なんて聞いてる振りをしていただけだった。
それにしても同年代のオトコが隣の部屋にいるとか正直言ってしんどい。
また鶴崎さんに愚痴ろう…


"拓哉くん"と紹介された男性はペットボトルのコーヒーを購入して店を後にした。


「Aちゃん、拓哉くんは優しくていい子だからオススメだよ〜?」


「オススメされても興味ありませんので」


すぐに仲人みたいなことをやりたがるオーナー。
絶対にあり得ないから!
オトコと仲良くしようだなんてこれっぽっちも!!


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3 知り合いとかいる?→←1 心の支えである東大王。



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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:   
作成日時:2024年3月26日 9時

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