離さない、離れない-Hiroomi.T- (ページ10)

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それから自分の番がくるまでリラックスしたままで居られた。

Aはオーディションのスタッフらしく合宿の時も居た。

そして俺と隆二が三代目のボーカルに選んでもらえた。

同時にAも三代目のマネージャーに選ばれて一緒に居れる事が嬉しかった。

口に出してなくても隆二がAの事が好きなのは知ってた。

俺と同じで隆二もAを目で追ってたから。

そして今から3年前、NAOTOさん、直己さんはEXILEの仕事で来れなかったけど
ヤングメンバーで休みということでクラブに行くことにした。

入店して1時間くらいすると岩ちゃんが

剛典「あれ？Aちゃん？」

店の中は音楽が流れて、うるさかったはずなのにAは俺たちの方に振り向いた。

A「あれ？どうしたの？」

健二郎「今日は休みやさかいに、たまにはクラブに行こうってなってん。」

ELLY「Aちゃんは？」

ELLYが聞くと

A「私たちもそう。」

Aが俯きながら答えた。

何かあるんだなと思っていると

夏菜子「って言っても私たちはAの失恋励まし会なんだけどね。」

励まし会？

失恋って・・・Aちゃんって彼氏いたのかよ。

A「ちょっと！夏菜子！」

隆二「失恋励まし会？」

広臣「Aちゃんって失恋したの？」

A「う、うん。」

美咲「大学時代から付き合ってた彼氏にフラれたの。」

剛典「マジで？」

夏菜子「それで気分転換にクラブに行こうってなったの。」

今日、断らなくて良かったー！！

隆二「そうなんだ。」

すると話が終わったのかELLYと岩ちゃんはステージの方に行った。

夏菜子「あんまりはしゃぎすぎちゃダメだよ？」

剛典「はぁい。」

って言ってるけど分かってんのかね、うちの末っ子は。

俺も隆二と酒を飲みながら話しているとカウンターに
1人で飲んでいるAちゃんを見つけた。

広臣「Aちゃんのとこ行かね？」

隆二「そうだな。」

こんなクラブで女の子1人で飲んでいると、いつ声を掛けられるか分からない。

今だってチラチラ行き違う男たちがAちゃんの方を見てニヤニヤしてる。

そんな男たちから守るように見せつけるようにAちゃんを真ん中にして座った。

A「皆と踊らないの？」

広臣「俺らは踊れないからね。」

A「そうだったね。」

少し泣いていたのか目が赤く鼻も啜ってた。

それからは彼氏の話になって、どんな形でフラれたか分かった。