離さない、離れない-Hiroomi.T- (ページ28)

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広臣side

挙式が終わり、披露宴をするホテルに着いて披露宴も無事に終わりかけ
俺はAを、ここまで育ててもらったHIROさん宛に手紙を書いたので読んだ後
Aも俺の両親に手紙を読んだ。

手紙も読み終わるとAが俺が持っていたマイクを手に取ると

A「臣に１つ報告があります。実は・・・。」

Aのお腹に俺たちの赤ちゃんがデキたと嬉しい報告をしてくれた。

HIROさんは聞いてなかったのか驚いていた。

そんなHIROさんの隣に座っている彩さんは、驚いてなくて
逆にニコニコと微笑んでいた。

彩さんは知っていたのか？

Aは何でも1人で抱え込んでしまうから、もしかしたら彩さんに相談していたのかもしれない。

披露宴をしたホテルにそのまま泊まることになり最上階の部屋を予約しておいて
部屋に連れて行くとAは窓から見える夜景を見て俺の大好きな笑顔を見せてくれた。

今まで思うように声が出なくて悩んでいた時も初主演映画ホットロードの撮影で
上手く演技が出来ないときも辛いことがあったとしてもAの笑顔を見たら
どんな事だって乗り越えてこれた。

今の登坂広臣があるのはAが仕事でもプライベートでも支えてくれたおかげだ。

夜景を楽しそうにみるAの小さな背中を見ながら考えていた。

Aの後ろに立ち抱きしめ

広臣「なぁ。」

A「ん？」

広臣「さっきの話、嘘じゃないよな？」

A「お腹に赤ちゃんが居るって話？」

広臣「うん。」

A「嘘じゃないよ。ずっとアレが来てなくてね、検査薬で調べてみたの。
　そしたら陽性って出て。
　病院に行ってみたら、妊娠２ヶ月だって。
　エコー写真も貰ってきたよ。見る？」

広臣「見たい。」

窓からベッドの上に置いてあったバックから初めて見るエコー写真を出した。

A「はい。」

Aから受け取りエコー写真を見ると、まだはっきりと形は分からないけど
そこには、ちゃんと俺たちの赤ちゃんが写ってる。

Aを抱きしめた。

Aは嬉しさのあまり泣いた俺の背中を優しく撫で

A「どうしたの？」

広臣「嬉しくて。やっとAに家族を作ってあげられる・・・。」

A「臣・・・。」