離さない、離れない-Hiroomi.T- (ページ26)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:53,992 hit

２７ページ26

マイクを臣が持ってくれて私は手紙を開いた。

A『私は幼い頃、両親を亡くし、母の両親は既に他界したと聞いていたので
　私にとって親戚と呼べるのは父の弟であったHIROさんだけでした。
　 HIROさんは自分の暮らしが辛いはずなのに私を引き取って、ここまで育ててくれました。
　そしてLDHを設立して社長業をしながら私を学校に通わせてくれて
　大学まで入れてくれました。
　就職活動の時、今までの恩を返すためにLDHに就職しました。
　身内ということを無しにして他の面接者と同じように面接をして入れてくれました。
　 HIROさんには恩を返しても返せないほどあります。
　私は今日、登坂家に嫁ぎますが、私にとっての親はHIROさんだけです。
　そしてHIROさんの奥さんの彩さんも私にとっては
　お姉さんであり、お母さんでもあります。
　私が辛いときや仕事で行き詰っているとき、話を聞いてくれます。
　それだけで安心できました。これからも、お姉さんで居て下さい。』

HIROさんたち宛の手紙を読み頭を下げた。

途中、何度も泣きそうになったけど臣が優しく背中を撫でてくれた。

そして臣の両親が座っている方へ体を向けた。

A『お義父さん、お義母さん、今日から登坂家でお世話になります。
　両親の居ない私のような者を嫁として迎えていただき、とても嬉しく思います。
　広臣さんと幸せな家庭を築いていけたらと思います。
　広臣さんのお義姉さん、仲良くしてもらえたら嬉しいです。
　宜しくお願い致します。』

臣の両親にも頭を下げると臣の両親、臣のお姉さんも頭を下げてくれた。

手紙を読み終わり、臣と向かい合わせになり

A『臣に１つ報告があります。実は・・・。』

そして私たちの披露宴は幕を閉じた。

それから私も臣もドレスやタキシードから普通の服に着替え参列者と共にホテルに泊まった。

部屋に入ると窓一面に東京の夜景が見えた。

A「すごーい！！ねぇ、臣、すごいよ！！見てみて！！」

私は子供のようにはしゃいで夜景を見ていた。

広臣「はは(笑)見てるよ。喜んでもらえた？」

A「うん！！」

しばらく夜景を見ていると臣に後ろから抱きしめられた。