離さない、離れない-Hiroomi.T- (ページ22)

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しばらく話していると

コンコン

夏菜子「はい。」

夏菜子が出てくれた。

スタッフ「○○様、お時間ですのでチャペルまでお越し下さい。」

夏菜子「分かりました。A、行こう。」

A「うん。」

HIRO「じゃあ行こうか。」

A「はい。」

扉の前に立ち

HIRO「A、登坂と幸せになるんだぞ？
　それが兄貴たちの願いだから。分かったか？」

A「うん。HIROさん。」

HIRO「ん？」

A「お父さん、お母さんが亡くなってから今まで育ててくれてありがとうございました。
　 HIROさんが居てくれなかったら今、ここには居ないと思う。
　 HIROさんは彩さんと結婚して瑠奈ちゃんのお父さんになったけど
　まだ私の、お父さんで居てくれる？」

HIRO「当たり前だ。」

そう言ってHIROさんは少し目を赤くして腕を出した。

差し出された腕に、そっと手を添えて扉が開くのを待つ。

そして・・・

スタッフ「それでは扉が開きます。」

スタッフさんが両側から扉を開けた。

教会に入るとパイプオルガンで結婚行進曲が弾かれてる。

事前に萩花ちゃんにパイプオルガンで結婚行進曲を弾いてほしいと頼んでおいた。

萩花ちゃんは喜んで引き受けてくれた。

そして神父さんの前にタキシードを着こなした臣が立っていた。

臣は優しく微笑んでいた。

そして私とHIROさんは、バージンロードをゆっくりと歩く。

中間くらいまで歩くとHIROさんは

HIRO「Aを幸せにしろよ。頼んだぞ。」

広臣「分かりました。任せて下さい。」

A「HIROさん、臣・・・。」

その言葉を聞きHIROさんは私の方を向き

HIRO「A？登坂と幸せになるんだ。
　そして笑って兄貴たちの墓参りに行くんだぞ？いいな？」

A「うん。」

HIROさんは自分の腕に回されていた私の腕を臣に引き渡した。

広臣「行こう。」

臣は自分の腕に私の腕を回し神父さんの前まで、ゆっくり歩いた。

誓いの言葉も終わり指輪の交換まで来たとき

広臣「神父さん、少しいいですか？」

神父「どうぞ。」

臣は私の方を向いたので私も自然と臣の方を向いた。

広臣「実は仕事の間を使って結婚指輪をデザインしたんだ。」

A「え？」