離さない、離れない-Hiroomi.T- (ページ14)

今日:13 hit、昨日:1 hit、合計:53,998 hit

14 ページ14

社長室に入るとソファーに座ってさっき見せてもらった写真を見ていた。

広臣「実はこれはAには話してないんですが・・・。」

HIRO「おう。」

広臣「明日、Aのご両親の命日なんですよね？」

HIRO「そうだが。」

広臣「実は明日Aにプロポーズしたいんです。」

HIRO「サプライズでか？」

広臣「はい。」

HIRO「このタイミングでか？」

広臣「はい。」

確かにこのタイミングではおかしいだろう。

23日の夜中にMAKIDAIさんたちが事故に遭い中止になった札幌公演の振替公演が決まったとこだ。

肋骨を折る重傷を負ったMAKIDAIさんとVERBALさんはこの前東京に帰ってきたところ。

広臣「発表はまだいいんです。Aを安心させたいんです。
　結婚を許してもらえませんか。お願いします。」

HIRO「登坂、今まで熱愛報道とかあったよな。」

広臣「はい。」

HIRO「結婚すると今までより叩かれる。付き合いは大事だ。
　そんな中でもAを守り続ける事は出来るか？」

広臣「もうAじゃなきゃダメなんです。
　朝起きた時もご飯食べる時も仕事してる時も夜寝る時も。
　隣にAが居なきゃダメで。
　自分でも驚いてます。まさかこんなに好きになるなんて。
　お願いします。」

HIROさんに深く頭を下げた。

HIRO「登坂、頭を上げろ。」

広臣「はい。」

HIRO「実はボイストレーナーから報告があったんだ。
　ここ3年半くらい登坂の声の出がいいってな。Aが関係してたんだな。
　他のスタッフからも登坂は頑張ってるって。
　全てにAが関係していたとはな・・・。
　でも登坂・・・」

広臣「はい。」

HIRO「今はこれでいいかもしれない。
　でもいつ状況が変わるか分からない。その事は覚悟しておけ。」

広臣「分かりました。」

HIRO「結婚おめでとう。Aを頼んだよ。」

HIROさんは手を出して来た。

広臣「はい。」

手を握ると力強かった。

次の日

Aが起きる前に起きて顔を洗ってすっきりしてからスーツに着替えた。

テレビを見ているとAが起きて来た。

スーツを着ていることに驚いていた。

A「おはよ。」

広臣「おはよ。」

A「なんでスーツなの？」

広臣「お墓参り行くんだろ？」

A「そうだけど。」

広臣「お許しをもらわないといけないしな。」

A「お許し？何の？」

広臣「結婚の。」

A「結婚？」