ハッピーエンドなんかない。6 ((Ryosuke.Y & Kei.I))

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涼介side






意味がわかるような、わからないような。




俺を見るAの目は、真剣だった。






涼介「…どんな夢みたいの？」


『…大切な人と、別れない夢。




…大切な人と、一緒にいる夢』





大切な人……





涼介「まだ伊野ちゃんのこと好き？」





まだ伊野ちゃんのことを諦めていないのかな。


伊野ちゃんと一緒にいたい…ってことだよね。




好きなら好きって言っていいから、

素直に答えてほしい。









『大切な人だけど、好き、ではないかな』




その言葉に驚いた。




『毎晩こんな夢見てるし、向こうは結婚してるし。
もう素直に諦めようって…』




確かに、別れされられて、それが悪夢になれば、

嫌になって、諦めたほうが気持ちが楽なのかもしれない。




好きであれば好きであるほど、

別れが辛くなるなんて当然だ。




そんな風に勝手に納得してた、けど、




『それに…』




話の続きがあるなんて思ってなかった。





涼介「それに…？」









『…私の心臓、最近うるさくって。

悪夢のせいかなって思ったけど、違った』





その唇は、はっきりと動いたんだ。









『涼介のこと、考えてるときに』

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