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慧side
ドラマの撮影の帰り。
車内で弾む会話。
楽しくななちゃんと話していると、突然携帯がなった。
『あっ、ちょっとごめんね』
慧「うん」
もしもしー、と言って電話をし始めた彼女。
「ねぇあのさ、1ヶ月くらいメガネなくしてるんだけど知らない?」
携帯から彼女の電話相手の声が少し漏れていた。
『知らないよー』
「えー、もしかしたら、あるかなーって思ったんだけど…」
『でも涼介がうちに来たのだいぶ前だよ?…今家にいないから、帰ったら探してみる』
「ありがとー」
涼介って……山田?
確かに、聞き覚えのある声だ。
いつ知り合ってたんだろ…
家に行くほどの仲なの…?
携帯を耳から離し、なんで電話だったんだろー、とつぶやく彼女。
慧「山田と知り合い?」
思わず聞いてしまった。
『うん……知り合いっていうか、幼馴染で』
慧「そうなんだ!」
予想外の返答に大きい声を出してしまった。
慧「仲良いんだね」
『そうなのかなぁ……電話の内容、聞こえてた?』
慧「うん、聞くつもりはなかったけどね」
『そっか。……あっ、別に付き合ってるとかじゃなくて、ただ近くに住んでて…』
慌てている様子の彼女。
ふーん。でも仲良いのには変わりないけどね。
そんな冷たいことは思っても言わないけど。
ただ少し、
慧「そうなんだね。…いやぁ、意外だな」
ヤキモチを焼いている自分がいた。
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作者名:りめ | 作成日時:2018年1月21日 10時